内容説明
悲しきデーモン、追放の精霊が罪深き大地の上を飛ぶ。狂気に沈んだ画家ヴルーベリ、決闘の銃弾に斃れた詩人レールモントフ。ロシアの二人の天才が創造したデーモンの相貌。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Э0!P!
3
やがて悪にも彼は飽きた、何の感情も映らなかった、不意に感じた説明できぬ心の揺れを、新たな悲しみを知った、忘れることを望まなかった、光の消えたその目から重苦しげな涙が流れ落ちた、私は誰にも愛されぬ者、貴女のしもべ、思わず羨んだ地上の不完全な喜びを、この世の全てを捧げよう、「失せよ、陰鬱なる疑いの霊よ!」、たった1人で世界に取り残された望みもなく愛もなく2023/10/11
Mai
1
心を奪われた。なんたる美しい言葉の数々。前田和泉さんの訳が見事で、全文音読してしまった。ロシア語でも読みたい。タマーラへのデーモンの愛の告白は、これまでに読んだ文学上のどの告白よりも熱い。「創造の最初の日にかけて誓う、その最後の日にかけて誓う……」と羅列される誓いの言葉には、彼が悪魔であることを思わず忘れさせるほどの魅力的な力強さと誠実さがある。この情熱的な中間部を頂点に、両端にコーカサスの情景描写が置かれ、弧を描くような構造を取っている点も秀逸。また、本書に収められたヴルーベリの絵画にも惹き込まれた。2025/06/11
ひより
1
叶わぬ恋をかかえたふたりによるデーモンの悲恋話。解説込で読めてよかった。2022/05/08
起死回生の一冊を求めて
0
詩は読みやすく良かった。何よりもヴルーベリという素晴らしい画家を知れて良かった。生のヴルーベリ作品をいつか見たい!(ロシア行かなきゃかな、、、)2024/10/18
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