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目次
1 カフェと「天才」たちとの不思議な関係
2 カフェに通った「天才」たち
3 カフェに出会う以前の「天才」予備軍の共通点
4 カフェという避難所
5 商売人としての主人
6 カフェと人との相互作用
著者等紹介
飯田美樹[イイダミキ]
カフェ文化、パブリック・ライフ研究家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
65
著者によるカフェ論だけでなく、天才はどうやって育まれるかという考察もされていて興味深く読んだ。ボーヴォワール、藤田嗣治に関する言及が多く、彼らがパリのカフェを利用しながら、どのように作品の題材を着想していったか考えるきっかけにもなる。人が集まる「場」をどうとらえ、どう創っていくか。面白いテーマだと思う。青山ブックセンターの選書フェア(オンライン)で偶然チョイスしたけれど、読んでよかった。2021/10/08
shoko
6
偉大な人がカフェに集うわけではなく、そこにカフェがあることで、そこに集う人々が後の時代に名を残すような偉大な人物へと育つ。藤田嗣治、シモーヌ・ド・ボーヴォワールとその周辺人物との相互作用をカフェを切り口に詳細に描く。/個人的には、世界中の人が訪れるパリに、全ての人に開かれた場としてカフェが存在していた、という組み合わせに大きな意味があったんじゃないかと思った。本に登場する天才の多国籍ぶりが見事。「パリのカフェやビストロは、他国の大都市のように移民が移民同士のコミュニティに閉じこもることを防いできました。」2021/03/21
袖崎いたる
5
カフェについて書かれた本でもあり、カフェを訪れた人々について書かれた本でもある。しかしその正体は人が自分の才能を開花させるために必要な場について書かれた本である。おもにボーヴォワールと藤田嗣治の二人に焦点が当てられ、彼らがカフェを通してどのように自己を発見していったのか。それが問われる。結果として読者が読むことになるのは「天才とは誰か」という命題だ。この本を薦めてくれた読者としての先輩には頭が上がらない。4時間17分を掛けて堪能させてもらいましたよ。私も私が出会うべきカフェを探しに街に出かけようかしらん。2021/11/21
takao
2
ふむ2022/12/26
さゆう
0
時代を創った芸術家たちがなぜカフェに集ったか、20世紀のパリを中心に描かれる。劣悪な住環境に住む貧乏人の彼らは、一杯のコーヒーで長時間快適に過ごせるカフェに逃げ込んだ。同年代の芸術家と議論を重ねていると、ふと隣の卓からは耳馴染みのない言葉が聞こえてくる。なぜなら、カフェは国籍の坩堝であり、年齢や職業も雑多であったからだ。そして、だからこそインスピレーションやネタの宝庫でもあった。パリに喰らいつき、長い消化の末に生み出した作品は、一人、あるいは自国のコミュニティに引きこもっては描けないような名作となりえた。2025/03/22