内容説明
内閣法制局を身近に感じている国民はそう多くないかも知れない。しかし明治の内閣制度発足前の太政官時代に淵源をもつこの組織は、日本の憲法の権威、解釈の一貫性を支えるための努力を営々と続けてきている。本書はジャーナリストの視点で、内閣法制局の憲法九条解釈を事実に基づき多角的に正確に分析しながら戦後史の中での内閣法制局の役割を検証した最良の研究書である。
目次
第1章 内閣法制局の自信と強さの背景
第2章 個別的自衛権を固める
第3章 集団的自衛権行使容認の憲法解釈を拒否
第4章 国際平和協力業務への自衛隊海外派遣は容認
第5章 正規の国連軍参加には憲法上の問題が残る
第6章 憲法九条解釈の理論的基盤は六原則からなる規範群
第7章 統治行為論の実質を担う―内閣法制局の仕事の核心
終章 壮大なフィクション
著者等紹介
中村明[ナカムラアキラ]
1945年9月生まれ。東京都立小山台高校、一橋大学社会学部卒業。1970年4月、共同通信社に入り、政治部で首相官邸、労働、外務など各省、自民、社会、共産など各党を取材、1992年政治部次長兼編集委員。「官僚と政治」「権力のブラックホール」「支配知の崩壊と再編」「個別的自衛権固めた歴史」など企画記事を執筆。中央経済社の「旬刊経理情報」に政治コラム「永田町通信」を連載。宇都宮支局長を経て、編集委員兼論説委員。2002年9月退職。2000年4月から5年間、東海大学文学部心理・社会学科講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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