壁の文字―ポール・オースター全詩集

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ キガイ判/ページ数 399p/高さ 24cm
  • 商品コード 9784990174842
  • NDC分類 931
  • Cコード C0098

出版社内容情報

『……あの本(『空腹の技法』)のあとがきの最後に、「小説家オースターが誕生する前に書かれたこの本こそオースターの最大傑作だ、と思ってくださる読者が出てきても不思議はないと思っている」と僕は書いた。まったく同じことを、この『壁の文字』についても言いたいと思う。(柴田元幸・解説)

内容説明

現代アメリカを代表する作家の原点。小説家になる前、ポール・オースターが綴った詩を完全収録。

目次

輻―1970
発掘―1970‐1972
壁の文字―1971‐75
消失―1975
群像―1976
寒さの断片―1976‐1977
音楽に対峙して―1978‐1979
白い空間―1979
翻訳詩―1967‐1969
創作ノートの書きこみ

著者等紹介

オースター,ポール[オースター,ポール][Auster,Paul]
1947年、ニュージャージー州ニューアーク生まれ。コロンビア大学を卒業後、フランスに長期間滞在する。70年代、さまざまな職を経験しながら翻訳・詩作に励む。85~86年の『ニューヨーク三部作』(『シティ・オブ・グラス』『幽霊たち』『鍵のかかった部屋』)で小説家デビューを果たし、以後、数々の傑作を発表。現代アメリカ文学の中で最も注目される作家の一人である。小説にとどまらず、詩集、エッセイ集なども刊行し、さらには『スモーク』をはじめ映画製作にも携わる。ニューヨーク州ブルックリン在住

飯野友幸[イイノトモユキ]
1955年、東京生まれ。上智大学英文学科教授(アメリカ文学専攻)。東京都狛江市在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Nobody1

2
対訳、完全版。強烈で濃い、オースターの原点。言葉と現実の解離というソシュール以来の言葉の問題、そして自己の複数性という問題を扱ったこれらの作品群は、オースターの散文と違いかなり難解であり、またそれゆえ、重要である。『孤独の発明』『ニューヨーク三部作』との関連はかなり強い。また『写字室の旅』とも併せて考えてみるのも面白い。2014/04/13

へのへの

1
石を砕く音が断絶する。結晶を渇望するゆえ、決して燃焼されることはない。血液のみが囀るばかり。石の呼吸を見つめ聞き、囀りの息を同期し溶かす。消失。無。白。仄かに輝く石、単一の声の種子が埋まった石。声が響く。音楽に対峙して(facing the music)。響き、〈声〉を、ことばに。ことばで、沈黙を……。ことばの可能性と不可能性。白い空間。まるで、ダンスのようなことばで。主体も客体もないダンスの、圧倒的な流動性を感じさせるダンスの、体全体で感じられるようなダンスの、まるで音が聞こえてくるかのようなダンスの。2020/07/05

アカリカラキタヨ

1
難解な海外文学の長篇小説を読むことは拷問、と誰かと話したことがあって、そういう感じと比較したらこの詩集は全然行けた。分からんと思いながらも進んでくと年代順だから詩の変化がすごい見える。『白い空間』は創作活動してる人、文学好きな人間なら読んでほしい。いまの日本でこういう文章家がいないのが悲しくなるくらい、切実な文章。2017/04/13

borug

1
難しい…。でも解説で柴田元幸さんが"ほとんどの場合「わかりません」と答えるしかない"と書かれてるので気楽に読めるし英語と日本語で楽しめるから恵まれてる。2014/01/16

もりえんてす

0
初期の作品は難解であり、読みにくく感じた。原文で『you』が出てくる度に『おまえ』と訳していては、日本語としては読みづらくなってしまうのは当たり前ではないだろうか。原文に忠実に訳すことも大切だが、詩はリズムが大切なので、そこは意訳していくつか削ったほうが良かったと個人的には思う。『消失』以降の作品はわかりやすくなっていて、特に『群像』が良かった。しかし何よりも、おまけとして収録されている『創作ノートの書きこみ』が一番興味深いことが書いてあった。これを読めただけでもかなりの収穫。2012/05/01

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/18221
  • ご注意事項

最近チェックした商品