内容説明
後世における数々の誤解に抗し、うわべの姿を払拭してその哲学の内実を浮かび上がらせる、大著の新訳。限界と根源へと突き進んだ人間存在そのものの一つの運命がここにひもとかれる。
目次
序論(著作の理解;理解は理解する者の本質に依存する)
第1部 ニーチェの生(概観;発展の経過;夜と孤独;病気)
第2部 ニーチェの根本思想(人間;真理;歴史と現代;大いなる政治;世界解釈;限界と根源)
第3部 実存の全体におけるニーチェの思惟様式(ニーチェは自己の思惟と自己自身をどう了解しているか;ニーチェはわれわれによっていかに理解されるか)
著者等紹介
ヤスパース,カール[ヤスパース,カール] [Jaspers,Karl]
1883‐1969。ドイツの哲学者。精神病理学者として出発し、大きな業績を残す。心理学を経て哲学に転じ、広く深い哲学史的知識を下地として、キルケゴールとニーチェの強い影響の下に、『哲学』(全3巻、1932年)によって実存哲学を大成した。その哲学は西洋の思想的伝統のエッセンス全体を集約する体系的構成を有している。後期になると実存哲学を同時に理性の哲学として拡張し、また西洋を越える世界哲学を志向する
佐藤真理人[サトウマリト]
1948‐。哲学研究者。早稲田大学名誉教授。主な研究分野は独仏実存哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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