薔薇の回廊

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  • サイズ B5判/ページ数 46p/高さ 26cm
  • 商品コード 9784990123444
  • NDC分類 953
  • Cコード C0097

内容説明

時空を超えたエロティシズム幻想の万華鏡。パリのメトロに降り立った美少女フローラの運命はいかに―。谷崎潤一郎に捧げられた渾心の一篇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

コットン

59
表紙が黒で中はピンクの紙を使い、山下陽子のコラ―ジュの挿画と相まってマンディアルグの地下異世界が広がる。2016/05/05

HANA

36
訳者、挿画家署名本入手。以前同じように短編を一冊にした『ポムレー路地』もそうだが、こうした凝った造りの本はどんどん少なくなっていく。やはりビブリオマニアにとって本とは嗜好品の一面もあるので、こうした独特の本造りをする出版社はいつまでも続いて欲しい。内容も『ポムレー路地』と同様、主人公が進むにつれて世界がどんどん異界に変貌していくもの。こうした独特の世界は大好きなので読みながら大満足。両者ともに独特のエロティシズムと不気味な諦念が同居しているのも似ているような。挿画も作品によく合っており素晴らしい。2012/11/14

R子

20
少女フローラはパリの地下迷宮を彷徨いオートウォーク(動く歩道)に出会う。塗り替わる広告文字、加速するスピード。アイデンティティを剝がされて、自身も空間も無名になりその先は、一体何処へ向かうのだろう。後半のサスペンスムードが濃厚で、のめり込むようにして読んだ。邦題は、フローラの華やかさと脆さとエロスを汲んでいて美しい(原題直訳は「動く歩道」)。造本や山下陽子さんの挿画も作品の雰囲気とぴったりだ。2024/11/10

rinakko

13
再読。なのだが、ざらりとした紙の感触といいピンク色特殊紙の艶美な色合いといい、開いただけでうとり…となる美しい本。ひきこまれる深みまでが、違うように感じてしまう。実際、訳はこちらの方が好きだ。2015/09/18

クライン

5
地下鉄という空間は確かに不思議。少し上下するだけで容易に迷路と化す。ほんの数十メートルの筈の連絡通路は、区切りのない無愛想な表情のせいで妙な圧迫感を感じさせ、足元が心許なくなる。そんな地下迷宮で一人の少女が、多分何かのメタファーとして身につけていたものを喪失していく。日本人のイメージってこうなんだなと少し笑った。装丁も非常に凝った造り。山下陽子さんの挿絵も美麗で、野中ユリ、ジョセフ・コーネルあたりが好きな人には直球でしょう。勿論本文も、幻想小説好きなら是非!2013/04/06

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