内容説明
魂の詩人、中原中也の珠玉作を集めた「中也ベスト詩集」。
目次
第1章 生ひ立ちの歌(生ひ立ちの歌;少年時 ほか)
第2章 汚れつちまつた悲しみに…(汚れつちまつた悲しみに…;月夜の濱邊 ほか)
第3章 春日狂想(春日狂想;吾子よ吾子 ほか)
第4章 一つのメルヘン(一つのメルヘン;宿醉 ほか)
著者等紹介
中原中也[ナカハラチュウヤ]
1907年4月29日、山口県生まれ。23年、山口中学を落第し、京都の立命館中学に編入。25年、上京。26年、日本大学予科文科に入学したが、9月に中退。29年、河上徹太郎、大岡昇平らと同人誌「白痴群」を創刊。33年、東京外国語学校専修科仏語修了。遠縁の上野孝子と結婚。『ランボウ詩集“学校時代の詩”』刊行。処女詩集『山羊の歌』刊行。37年鎌倉に転居。『ランボオ詩集』刊行。詩集『在りし日の歌』を編集し、原稿を小林秀雄に託す(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tototousenn@超多忙につき、読書冬眠中。
116
なぜ彼の言葉はこんなにも、 こころのひだに届くのだろう。 彼の霊魂が彼の骨をみつめているからかしら? デザイン、製本、装丁も素晴らしい。中也の珠玉の詩を更に引き立たせている。 使用されている紙質、 「ファイバーラッファー」という技術が施されたギザギザな本の断面。 手に取った時、これには感動した。 日本ブックデザイン賞2018 一般の部「ブックデザイン・パブリッシング部門」で入選している。 ☆10.0 (5点満点ですが) 2021/02/10
旅するランナー
44
えもいはれない孤独感・焦燥感を味わい、ポカポカポカポカ暖かみのあるリズムとリフレインを楽しむ。彼の心の呟きをゆっくりと聴くことになる。愛詩精神溢れる装丁も素敵です。2017/10/29
あじ
41
中也に付き従う、亡き幼子の影が常にあった。座標を確認するように、まま空を見上げる心象深い詩集。★ファイバーラッファという技術を駆使し本の天、地、小口に、綿雪がかぶさったような切り口を施しているのが特徴(経年で古びる様が味わえる)。★ネット上で本書の朗読が聴けます。また解説も付随しているので、読解のサポートも万全。シリーズ化して欲しい素敵な書籍です。【拝借本】2018/03/17
テツ
21
中原中也といえばめちゃくちゃな私生活と狂人としか思えない他者への態度だけれど(太宰いじめが有名だけれど他にもてんこもり) その裏には亡くした愛児を常に感じながら孤独と焦燥とに挟まれ俯瞰した世界が広がる。生きることは悲喜交交全てまとめてガラス細工のように儚くて美しい。世界は人の数と同じだけ存在しているけれど、他の世界を覗くためにはこうして言葉を介するしかないという事実に改めて感動する。喜びも悲しみもひっくるめて美しい世界を感じたい。そしてこうして言葉に変換することで誰かに自身の世界を旅してほしい。2020/06/08
ANE
0
ひどいタイトルですが、中身は中原中也なので安心です。やけっぱちポエム。字が大きくて、とても読みやすい。2019/02/24