出版社内容情報
「コンテンツツーリズム」や「聖地巡礼」という言葉を聞いたことがありますか。「人」をコンテンツとする観光形態である「ファンツーリズム」も注目されています。これらは新しい現象、いまどきのブームのように言われることもありますが、そもそも観光は、時代とともにその形を変え、古くからその時代ごとの「コンテンツ」を対象の一つとしてきました。コンテンツツーリズムやファンツーリズムは、観光の本質としては変わらないものです。では何がこれまでと違うのでしょうか。
憧れの俳優、応援するアイドルのコンサートやイベントに参加するために移動するファンツーリズム・・・本書はこれを詳細に分析し、こうした現代的な観光に迫ります。ファン自身をも変える「力」をもつファンツーリズムは、読者のみなさんが観光研究の広さに気づくきっかけになるでしょう。
内容説明
ファンツーリズム…「観光主体が観光対象を決める」その先端的な観光の実態に迫る。代替性のない魅力となる憧れの俳優やアイドルを追う「ファンツーリズム」は、さまざまな面でファン自身を変えるエンパワーメントの力をもっている。時に他者から、時には自らさえが規制していた境界を自分で超えた先にある、新しい世界をのぞいてみよう。
目次
第1章 変化し、多様化し続けるコンテンツ―江戸時代の道中記から、現代のアニメ、アイドルへ(時代の変化を反映したコンテンツと観光;アニメ聖地巡礼から2.5次元まで;ファンツーリズム研究創始に向けて)
第2章 ファンとファン行動―多様化するファン、グループ化するファン(ファンの現代的様相;ファン行動の実態)
第3章 ファン行動からファンツーリズムへの進展―ファンは、ファンの階段を上って「会い」に行く(ファン行動とファンツーリズム;ファンツーリズムの旅行先での行動と地域)
第4章 ファンツーリズムと国際観光―ファンが超えてきたこと、ファンだからできること(観光と異文化理解;国境を越えるファンツーリズム)
著者等紹介
幸田麻里子[コウダマリコ]
1973年千葉県生まれ。立教大学大学院観光学研究科博士課程後期課程単位取得満期退学、博士(観光学)。現在、流通経済大学社会学部(国際観光学科)准教授
臺純子[ダイジュンコ]
1957年岩手県生まれ。立教大学大学院観光学研究科博士課程後期課程修了、博士(観光学)。現在、比治山大学現代文化学部(マスコミュニケーション学科)教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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