内容説明
学校は微積分を教えているが、それ以上に重要な人生で誰もが直面すべき事柄、たとえば人を愛すること、乳幼児を育てること、老人の世話をすることなどを教えていない。教育が人生の幸福を目的とするならば、学校教育はその目的を実現する源であるケアリングを中心に再構成されるべきである。ノディングズのこうした提言は、今日の教育を根底から問い直し、明日の教育への希望を準備してくれる刺激的なアイデアに満ちている。ケアを中心に組織されるカリキュラムをこと細かく叙述し、数学の授業と美術の授業の双方の具体的事例も提示した。
目次
序章
第1章 社会の深い変化に対する教育の浅薄な対応
第2章 ケアリング
第3章 ディシプリンを超えて―リベラル・エデュケーション批判
第4章 代替するヴィジョン
第5章 ケアリングと継続性
第6章 自己をケアすること
第7章 内輪でのケアリング
第8章 見知らぬ人や遠く離れた他者へのケアリング
第9章 動物や植物や地球をケアすること
第10章 人工の世界をケアすること
第11章 理念のケアリング
第12章 学校で始めるにあたって
補章 ケアの倫理について
著者等紹介
ノディングズ,ネル[ノディングズ,ネル][Noddings,Nel]
1929年にニュージャージー州に生まれる。タトガース大学で数学の修士号を取得。1975年にスタンフォード大学において教育哲学で博士号を取得。1977年にスタンフォード大学教育学部教授、コロンビア大学ティーチャーズ・カレッジの教授を併任。スタンフォード大学名誉教授
佐藤学[サトウマナブ]
1951年、広島県に生まれる。1980年東京大学大学院教育学研究科博士課程修了。東京大学大学院教育学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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