バクテリアルトランスロケーション―病態・診断・対策と臨床的意義

バクテリアルトランスロケーション―病態・診断・対策と臨床的意義

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  • サイズ B5判/ページ数 111p/高さ 26cm
  • 商品コード 9784944130108
  • NDC分類 491.7
  • Cコード C3047

出版社内容情報

《内容》 一般的に正常な消化管粘膜は,細菌はもとより蛋白質さえ吸収しない構造とされている。しかし近年,腸管内細菌の生体内への移行が発見され,「バクテリアルトランスロケーション(BT)」と呼ばれる考え方が提唱された。現在,医療の進歩に伴いICUでの重症症例の治療が増加しているが,死亡例は敗血症による多臓器不全(MOF)によるものが多く,その原因としてBTが最も注目されている。 本書はわが国で初めて,BTに関して歴史的背景から病態,診断,対策,さらに最も重大な関連病態としてのMOFとの関係に至るまでを一つにまとめた専門書である。    《目次》 第1章 歴史と今日的意義 I.BTの発見と定義 II.歴史 A)BergによるBT報告前 B)BT報告後 III.エンドトキシントランスロケーション IV.ヒトにおけるBT 第2章 発生病態と臨床報告 I.BTの病態概説 A)発生部位 B)侵入ルート C)BTの程度および広がりと時間経過 II.動物実験 A)概説 B)全身性ストレス 1. 放射線照射 2. 熱傷 3. 栄養投与法 4. エンドトキシンの投与 5. 出血性ショック C)宿主免疫能の低下 D)腸管内および腹腔内病変 1. 化学変化による腸炎 2. 腸管の閉塞 3. 化学物質による無菌性腹膜炎 4. 閉塞性黄疸 5. 膵炎 6. 肝切除 E)その他 III.臨床報告 A)概説 B)イレウス C)炎症性腸疾患 D)外傷および出血 E)熱傷 F)その他 第3章 診断と機序 I.診断法 A)直接的診断法 B)間接的診断法 1.血中微生物培養 2.血中微生物DNA測定法 3. 血中のメディエーター測定 4. diamine oxidase(DAO) 5. 腸管の透過性変化 II.急性反応期BTと慢性期BT III.BTの発生機序 A)腸管の環境変化 B)腸管粘膜の防御能変化 C)宿主の免疫機能の低下 IV.慢性病態 A)総論 B)閉塞性腸疾患、腸内細菌叢変化 C)炎症性腸疾患 D)TPN E)慢性臓器不全 1.肝硬変 2.糖尿病 3.慢性腎疾患 V.急性病態(物理的化学的障害) A)粘膜防御能障害 1.mucosal barrier障害 2.腸管虚血 3. 腸管毛細血管透過性亢進 4.化学的粘膜損傷 B)宿主免疫能障害 1.マクロファージ機能障害 2. プロスタグランジンE2 3.好中球 4.栄養障害 第4章 バクテリアルトランスロケーションの臨床的意義 I.腸管内細菌と院内感染 II.BTと全身感染症 A)動物実験 B)ヒトにおけるBTとMODS/MOFとの関係 III.selective decontamination(SDD) の MODSに対する効果 第5章 予防と治療 I.経口栄養 A)腸管のバリア機能 B)経腸栄養 C)食物繊維・脂肪酸 D)グルタミン E)アルギニン F)胆汁・胆汁酸・分泌型IgA II.グルタミンによるBT予防 A)グルタミン代謝 1.グルタミン 2.腸管粘膜におけるグルタミン代謝 3.核酸生合性および免疫能増強効果 4.侵襲とグルタミン B)グルタミン投与効果 1. 腸管粘膜萎縮抑制効果 2.BT抑制効果 3.グルタミンの投与方法と問題点 III.selective decontamination(SDD) A)動物実験 1. SDDの腸内細菌への影響 2.腹膜炎 3.出血性ショック B)臨床研究 1.SDD施行の理由と必要性 2. SDDの実際 3. SDDの手法 4.今後の展望 IV.BT治療法(薬物投与) A)概説 B)各論 1.プロスタグランジン製剤 2.成長因子,サイトカイン,ホルモン 3.抗エンドトキシン物質 4.O2投与(hyperoxia治療) 5.xanthine oxidase 系抑制薬剤 ,フリーラジカル消去系薬剤 第6章 エンドトキシントランスロケーション I.エンドトキシンについて A)構造および生理活性 B)エンドトキシン血症の臨床的意義 C)エンドトキシンの生体内での代謝,解毒 D)エンドトキシン定量法について II.エンドトキシントランスロケーションの発生機序 A)腸管内 B)腸管上皮 C)粘膜下層以下 III.実験報告 IV.臨床報告 V.エンドトキシントランスロケーションの予防と治療

目次

第1章 歴史と今日的意義
第2章 発生病態と臨床報告
第3章 診断と機序
第4章 バクテリアルトランスロケーションの臨床的意義
第5章 予防と治療
第6章 エンドトキシントランスロケーション

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