内容説明
「腕を伸ばして、のんびりするのさ。夕方がいちばんいい。みんなにも尋ねてごらんよ。夕方が一日でいちばんいい時間だって言うよ」―きまじめに「英国の偉大な執事」をめざしたスティーヴンス。その人生の黄昏は、決して「いちばんいい時間」とはならなかった。彼の犯した罪の名は「自己欺瞞」。ひとはなぜ、自分自身にうそをつかねばならないのか?20世紀の英国小説10篇を題材に、倫理、信仰、狂気、性、フェミニズムetc.を問う。
目次
文学と哲学
ヘンリー・ジェイムズ―倫理意識
ジョウゼフ・コンラッド―異様なもの
E.M.フォースター―敬虔と楽天
ジェイムズ・ジョイス―宗教と芸術
ヴァージニア・ウルフ―狂気と自己
D.H.ロレンス―性という深淵
イーヴリン・ウォー―神なき時代
アイリス・マードック―寛容の精神
マーガレット・ドラブル―フェミニズムと実存主義〔
カズオ・イシグロ―自己欺瞞
英国の小説
著者等紹介
三浦雅弘[ミウラマサヒロ]
1954年生。1981年順天堂大学医学部医学科卒業。1984年上智大学文学部哲学科卒業。1991年慶応義塾大学大学院文学研究科哲学専攻博士課程単位取得退学。2000年立教大学文学部英米文学科教授。専攻は哲学、主な論文に「レーヴェンハイム=スコーレムの定理と内在的実在論」、「感情・認知・自己欺瞞」、「隠喩とイメージ」などがある
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