常識を越えて―オカマの道、七〇年

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  • サイズ B6判/ページ数 256p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784939015441
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0095

出版社内容情報


この本は、私の時と時をつづった、
その時の思いを、感じたことを、記したことを、
地球上の生きものの、
地球上の人類という極犯罪者の一人としての告白です。
そして、私の覚ったことは
愛を「もっと、もっと愛を」と生きる。
そんなささやかな思想を地球上の凡ての生あるものに叫び、
宇宙の犯罪者でもある東郷健は、
ここに「せめて自らに恥なくねむりたい」、と。
二〇〇二年五月 東郷健
…東郷健の軌跡、全一冊!


一章●家父長ってなんや
修業時代。/わたしの父は県議会議員、祖父は衆院議員だった…。/小学三年生になるときに父が食道ガンでなくなった。かなしくもさびしくもなかった。/
わたしの母は「まま母、まま母」と、連日いじめぬかれた。/母にとって、わたしは常に優等生でなければならなかった。/中学生のときに映画館で、初めての同性愛体験をした。/可愛らしい同性愛のラブレターを交換し合った。/わたしの射精はジェット機並みの速さだった。/男と男との生身の体の触れ合い。舌の吸い合いがどれほど続いただろうか。/戦後六年目に、わたしは大学生になった。/今の社会はマネー・イズ・オールマイティや…。/私のピアノに聞き惚れてくれた若者を、このままお帰しするわけにはいかない…。/君はすばらしいからだをしているネ…。?濡れねずみ?はささやきながら、幾度も挑んできた。/この男は狂っている、狂っていなければ、男のくせに男を抱くものか……。/あんた女泣かせやわ…。パンパンにささやかれた日。/全く世間並みの結婚式を行った。

二章●家族ってなんや
遍歴時代…事業に手を出して失敗したわたしが選んだ。ゲイの世界、そこで考えたこと、人間とは、愛とは、金とは。/長男が椎名麟三先生がわたしの店にやってきた。/「深夜営業禁止条例」が一九六四年、施行されたので…。/電気代も水道代も滞り、酒までなくなった。/店は解散、家族を残して、独り東京へ上京。/?アオエ?がいま人手がないから、あそこの店に行ってごらん。/一から出直そうとやってきた東京、どんなことをしても働きたい。/ああ、落ちぶれたんだなァ…。/トイレ掃除をした時に、黄色い嘔吐物と涙が流れてきた。

三章●政治ってなんや
疾風時代。「オカマの東郷健」のキャッチフレーズで私が本当に言いたかったこと、そして「雑民の部屋」について。/叛逆に駆りたてた一〇代の美少年との出会い。/オカマの自己批判とは、オカマと宣言すること。/ギリギリに、ドロドロに生きて来た、とうごうけんを支援して欲しい。/母の死について。/お母ちゃん、死んでまでなんで差別をせなあかんネンやろ。/さあズボンのチャックをひきずり下ろせ、君の銃口を立てて発射せよ。/同性愛の世界にまで差をつけて喜んでいますネン。/夜はママと呼ばれ、昼はパパと呼ばれ…。/一夫一婦制という牢獄が政治家・資本家に利用されている。/レズビアン、ゲイ、SM……みんな差別されている。/雑民の部屋で愛の共有や。

四う。/風に吹かれて、慈悲に包まれ、愛がすべてや、愛こそが命やと、私は叫び続けたい。

六章●差別との闘い
聾唖の候補の政見放送が五分、無言のまま流された!/手話通訳をつけてください!という訴えを、NHKは拒絶した。/多数者の意見が民主主義やといって、少数者の意見を無視してきたんや。/NHKが健さんの政見放送での発言を無断でカットした。/ブチ切れた健さんはNHKを提訴、東京地裁で全面勝訴したものの…。/NHKの建物に火をつけ、燃やそうではありませんか…。政見放送で訴えた。/異常なのはいまの社会や。/限りなき空と時とのただ中に小さきものの何を争う。/私には、夢があるんや…。中国にゲイバーをつくったる!

七章●東郷健ってなんだったんだろう
さあズボンのチャックをひきずり下ろせ。戦争にまつわる資本家共に向かって君の銃口を立てて発射せよ。/君は何故やらないのか、男と男がねることを。/東郷健はゲイの中で、禁忌(タブー)だった。/東郷健のせいで、ゲイの国会議員が誕生しない?。/それは、他人のふんどし根性だ。/事実は消えることはない。/「オカマ」は差別か?/在日外国人に「伝説の○○」という蔑称を用いたタイトルをつけるの??/「おかまの娘」


この本は、私の時と時をつづった、
その時の思いを、感じたことを、記したことを、
地球上の生きものの、
地球上の人類という極犯罪者の一人としての告白です。
そして、私の覚ったことは
愛を「もっと、もっと愛を」と生きる。
そんなささやかな思想を地球上の凡ての生あるものに叫び、
宇宙の犯罪者でもある東郷健は、
ここに「せめて自らに恥なくねむりたい」、と。
二〇〇二年五月 東郷健



内容説明

家父長って家族って政治って天皇ってオカマってなんや。ギリギリにドロドロに生きてきたオカマの東郷健。

目次

第1部 オカマの道、七〇年(東郷健)(家父長ってなんや;家族ってなんや;政治ってなんや;天皇ってなんや、オカマってなんや)
第2部 東郷健が闘ったもの(及川健二)(ワイセツとの闘い;差別との闘い;東郷健ってなんだったんだろう;死と志)

著者等紹介

東郷健[トウゴウケン]
1932年兵庫県加古川市生まれ。雑民の会、雑民党の代表。『ザ・ゲイ』編集長。伝説のオカマとして知られ、選挙活動、ゲイ雑誌編集、芝居など幅広く表現活動をこなしている。一男二女の父。逮捕歴多数

及川健二[オイカワケンジ]
アクティビスト、ライター。情報の透明性を確保するために、情報公開の推進や内部告発者(ホイッスルブロワー)の保護を提唱・行動している
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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gtn

11
東郷があこがれのマルクス経済学者向坂逸郎と対談する。会場は向坂の自宅だったが、大邸宅であることに違和感を感じる。さらに、著者が住む東京の狭いアパートの家賃の相場を知らないことに、アレっと思う。ぎこちない対談が進み、向坂が東郷に「ソヴェト共産主義になったら、お前の病気は治ってしまう」と暴言を吐く。思慕が破れ中座した東郷。向坂はマイノリティの味方でも何でもなかった。社会主義は、イデオロギーを優先するあまり、目の前の人が見えない。2019/06/12

lovekorea

0
令和の若者言葉で言えばヤバい人生を送ったヤバい人、ということになるのでしょうか。 功罪があまりにもデカすぎて判断が難しい人物ではありますが、この根底には愛があったような気がします。 それにしてもこれだけメチャクチャに天皇制を批判してて、よく長生きできましたな。 右翼の脅迫も、案外口だけってことなんでしょうか。2022/05/08

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