出版社内容情報
実母のせいで貯金も住処も失ったタカヒロは、住み込みでマンションの一室を管理する仕事の求人を見つける。
雇用の条件は『隣人と必ず仲良くすること』。
他に行き場のないタカヒロはマンションに流れ着くが、待っていたのは明らかに人間ではない『隣人』だった。
「これは友達から聞いた話なんだけどね」
すでに23人が逃げ出したらしい部屋で、タカヒロはベランダ越しに怪談好きの隣人の話を聞くことに。
返答一つ間違えられない緊迫感の中、架空かと思われた怪談の内容は次第にタカヒロを取り巻く現実とリンクしていき――。
内容説明
web発日常侵食ホラー。
著者等紹介
寝舟はやせ[ネフネハヤセ]
『入居条件:隣に住んでる友人と必ず仲良くしてください』をカクヨムなどweb上で連載。web版に加筆修正した本作でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yukaring
129
入居条件:『隣に住む怪異と友人になること』怖いのにどこかほのぼのする不思議な読み心地の日常侵食ホラー。とある事情から死を覚悟したタカヒロが出会った貼り紙「今すぐ人生がどうにかなってもいい人募集中!」そしてこのマンションにやって来た彼は7階に住みやたらと彼に怪談を語る隣人を友人として過ごす。真っ黒に爛れた6本指と環状の口を伸ばして長い舌をちらつかせる隣人と。怪異が語る怪談がシュール。闇の奥に何かが潜む705号室や人型に盛り上がる自室のベットなど日常と非日常のギリギリのバランスが巧みですごく引き込まれる物語。2024/10/23
眠る山猫屋
89
「これは友達から聞いた話なんだけどね」マンションのベランダ、衝立越しに話かけてくるのは・・・。はっきり言ってまだまだ上手くない。ぎこちなさはあるし、スマホ世代の口語に違和感もある。文脈も時折乱れるが、何故かとびきり気に入ってしまった本書。語るよ!毒母に追い詰められ人生に絶望したタカヒロ。彼が辿り着いたのは怪異に満ちたマンションで、入居条件は“隣りの人”と友達になること(給金もあるw)。ただし、隣の人は黒焦げの6本指で漏斗状の口があって、口の中に目玉も・・・。衝立越しだから全体は見えない。(コメントへ)2024/10/15
みかん🍊
84
マンションの隣に住んでいる友人と仲良くすると言う条件で給料まで貰える美味しい話、とんでもない母親のせいで生きていたくないと思っていたタカヒロは応募するが、隣の友人は人ではなかった、ベランダ越しに怖い話を聞かせられる、しかし相手は怪異だがそれだけならまだましと住み続け緊張しながらも良好?な関係でいた、妖怪ハウスに紛れ込んだ様なものなのか、この章ごとのタイトルの文字が何か怖い、隣人や他の居住者、雇い主の正体も分からないまま、しかし知らない方がいい事が世の中にはいっぱいあるのかもしれない。2025/04/08
machi☺︎︎゛
81
間違いなくホラーなんだけど何か新感覚なテイストで面白かった。毒親から逃げて生きるのが嫌になっていたタカヒロはベンチに貼っていた「今すぐ人生がどうにかなってもいい人募集中」を見て応募。そして無事?受かりこの仕事をすることに。それはあるマンションに住み込みで隣の人と仲良くするという仕事。そして一日一回怪談話を聞いてあげること。そして他の回にも色々抱えた元人たちが住んでいて、、、。怖いんだけどタカヒロが周りと仲良くなる度に微笑ましくなってきた。最後は何かハッピーエンドみたいな☺️2025/03/10
花ママ
70
初読みの作家さん。タカヒロは毒母から逃れるために、「今すぐ人生が近づいてもいい人募集中」を受けて、マンションの一室を管理する仕事を請け負うことに。雇用の条件は「隣の住人と仲良くすること」タカヒロは23人が逃げ出したらしい部屋のベランダ越しに、正体不明の怪異な者の話を聞くことをなる。ほぼ毎日なんとも不思議な話が語られる。話の合間にタカヒロの毒母との体験も描かれ、いずれの話も気持ちがざわつくものだった。理解できない部分もあったが、最後までどうなるものかと読む手は止まらなかった。 2025/04/05