内容説明
世界にもっとも知られた画家のひとり、葛飾北斎。江戸に生まれ、江戸から見える富士を旅をしては、さまざまな富士をそして滝を、海を描いた北斎。森羅万象を手本に描きつづけた90年の生涯と、その絵を楽しめる待望の一冊です。
著者等紹介
小澤弘[オザワヒロム]
東京都江戸東京博物館教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Aya Murakami
134
図書館本 躍動感あふれる絵ばかりですね。数十年かけて物事を観察した努力の結晶なのだとか…?観察だけでなく想像力だけで描いた作品もあるのだとか。観察と想像という異なる手法のコンビネーションというわけですね。2019/10/27
tama
11
図書館本 思いがけずとても楽しめた。絵が大きいのはまず好し!一番効いたのは北斎爺さんが自分で解説してること。しかも初めのうちは「わたし」などと固い口調なのに、しばらくすると、乗ってきたのか「わし」となって語る語る。p22-26辺りはページの上下で上に着色浮世絵、下に北斎漫画などから上の絵に見合うのを載せてて、下から魚屋と角力が見上げてるとか三島越えの大木の下でお囃子で踊ってるとかかなり楽しい。お栄さんのことも語っているがちゃんとした元ネタはあったに違いない。2018/09/21
まげりん
11
「北斎の富士」と悩んだが、こちらを選んだ。いろんな絵が載っていてよかった。応為の絵がbなんとみ艶やか。最後の八方睨み鳳凰図はテレビでみたなあ。2016/04/24
春ドーナツ
9
最近、図書館の児童書コーナーも巡回することにしている。きっかけは特になく、ふと、そうしようと思った。毎回そこには発見がある。うれしい。本書はA4サイズの大型本で、あの波がザブーンの富嶽三十六景(神奈川沖浪裏)を原寸大で初めて鑑賞することができた(江戸東京博物館に足を運べば展示されているのだけれど、私は出不精である)。つぶさに波の表情をひとつひとつ丁寧に見ていく。造形美の極致を目の当たりにして至福となる。2017/08/28
joyjoy
8
小学校図書館で。「江戸のジャーナリスト葛飾北斎」には作品が載っていなかったので、こちらで堪能。木版画、「初摺りこそ作者の意図どおりつくられるが、後摺りは版元のおもいや世の流行で摺りをかえられることも」と。なるほど、晩年、肉筆画を好むようになったのもうなずける。最晩年の「李白観瀑図」に息をのむ。瀑音が聞こえてきそうな迫力、でもとても静謐。後ろ姿の李白、しがみついている子どもがいることで、人生を眺めているような、時を超えたものを見ているような。90歳だから描けたのか。 北斎100歳の作品を見てみたかったなぁ。2022/07/08