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出版社内容情報
京都のめぐる自然を通して日本画の巨匠が雅の世界へと誘う、美しい絵本タイプの画集。装丁・松永真。
内容説明
「桜」「緑」「紅葉」「雪」東山魁夷が謳い上げる京都の四季。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
aquamarine
81
東山魁夷の絵は静けさを運んできます。青、緑、白、橙。基調となる色は変わっても、どの絵も身を正すような静けさで日常と切り離してくれます。朝の冷たい澄んだ空気、爽やかな春の風にそよぐ木々のざわめき、川のせせらぎ、しんしんと降り注ぐ雪の音。静けさの中にもこんなにいろいろな音があるのだな、と何度もページをめくって堪能しました。カレンダーや文庫版の画集を持っていたりしますが、同じ絵でも大きくなると迫力が違います。カレンダーも次は大きいのを買おうと思いました。どれも好きで選べませんが特に「花明り」は実物を見たいです。2017/12/03
keroppi
67
読友さんのレビューにひかれて。原画は、東山魁夷展で見たこともあるが、このように文も添えられて見ると、さらにその情景が伝わってくる。静かに過ぎていく京都の四季は、実に美しい。何度も見返したくなる本だ。2020/01/25
アナーキー靴下
60
お気に入りの方にお薦めいただいて。絵や音楽がどう素晴らしいか、言葉にするということが、私にはとても難しい。言葉にできないというのは感想が書けないという話に留まらず、知らない外国の言葉を聞いているときのように、ぽかんとしてしまうということだ。東山魁夷氏が前書きで「画家である私は、平安の息吹をも、京都から感じとることが出来るのである」と言っているが、それがまさに私が知らない外国の言葉なのだ。私は東山魁夷氏の描く、深い影が好きだ。光、淡さ、鮮やかさが引き立てる暗い幽玄さが好きだ。いつもそれしか言葉が浮かばない。2021/04/10
れみ
49
東山魁夷さんの京都の風景を描いた作品と文章。京都は美しい風景がたくさんあって素晴らしいけど、身近なところにも、自分の心の有り様によってはこのような素晴らしいものがあるんじゃないか?とも思わされた。2015/02/28
麦踏
33
読友さんのレビューが余りに美しく思わず手に取る。眼科での念入りな視力検査ですっかり眼精疲労気味な目に優しく染み入る色彩。「曙」に息を呑み、固まる。この胸に湧く想いは何だろう。「夏深む」この一瞬の青金色に巡り会えたなら、その後暗くなるまで生きる意味を考えて立ち尽くすかもしれない。「月篁」木々が一斉に月に向かって話しかけ対話している。描かれていないのに月の存在感が際立つ。「照紅葉」まさにJR東海。「年暮る」雪がすべての音を吸う。一つ一つの屋根の下の人々の生活を想う。みんな幸せだといい。心から離れない一枚。2017/11/25