内容説明
1997年11月24日早朝、臨時取締役会で山一証券は自主廃業を決定し、百年の歴史の幕を閉じた。明治の創業以来、「法人の山一」として、日本の証券業界をリードしてきた巨大証券が、なぜ自主廃業に到ったのか?そこには幾重にも重なりあった不運と経営トップ・政府の無策、日本型経済システムの欠陥がみえる。21世紀に向け山一の教訓を活かし、長引く「平成不況」の脱出口を国際エコノミスト、元・山一証券参与の著者が提言する。
目次
1 三十二年前にもあった倒産危機(「証券恐慌」から日銀特融へ;ぴか一の証券会社だった「法人の山一」 ほか)
2 巨大バブルのピークに向けて走りつづけた山一(国債の大量発行と国際化で市場が急拡大;空前の株式ブームで最高益の更新続く ほか)
3 バブルの崩壊から破たんへの道程(株価大暴落で証券不祥事が多発;失われた五年 ほか)
4 再び「日本の時代」へ―二十一世紀に向けて(山一証券破たんの構図;山一消滅は半世紀に一度の世界的大事件 ほか)