内容説明
賃貸借契約における特約の有効性に関する訴訟の多くは“消費者契約法違反”と判断され、特約の有効性が疑問視されています。業界団体である(財)日管協は、賃借人負担の金銭を明確にする「めやす賃料表示制度(仮称)」の創設に向け準備を進めている状況です。本書は、消費者契約法の基本構造と、判例から無効とされる判断基準を検討、分析を加えしました。事業者の消費者契約法対策のための一冊です。
目次
序章 消費者契約法設定の背景
第1章 消費者契約法の基本構造(事業者と消費者の概念;消費者契約に該当する契約類型;消費者契約法に該当しない契約類型)
第2章 消費者契約法のスキーム(全体のスキームの概観)
第3章 不動産取引契約が消費者契約法により取り消される場合―事業者の不適切な勧誘行為等による契約と消費者の取消権(不実告知;断定的判断の提供;不利益事実の不告知;困惑による取消権;仲介業者の消費者契約法違反;第三者への転売後の取り消しの可否;消費者契約法に基づいて契約が取り消された場合の法的効果;取消権の行使期間)
第4章 消費者契約法と特約条項の裁判事例(事業者の損害賠償責任の免除;違約金・損害賠償予定の制限;遅延損害金の利率の制限;消費者の利益を一方的に害する不当条項の無効)
著者等紹介
江口正夫[エグチマサオ]
昭和27年広島県生まれ。東京大学法学部卒業弁護士(東京弁護士会所属)。最高裁判所司法研修所弁護教官室所付、日本弁護士連合会代議員、東京弁護士会常議員、民事訴訟法改正問題特別委員会副委員長、(旧)建設省委託貸家業務合理化方策検討委員会委員、(旧)建設省委託賃貸住宅リフォーム促進方策検討委員会作業部会委員、NHK文化センター専任講師、不動産流通促進協議会講師、東京商工会議所講師等を歴任。財団法人日本賃貸住宅管理協会理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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