感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
翔亀
42
【沖縄58】高校の頃か(それ以降あまり進歩はないが)、東京大空襲とか広島・長崎のことは読み知ったが、沖縄戦のことは上陸戦があったことぐらいの認識しかない。本書を読むと改めてア然とする。写真記録とあるが、のちに沖縄県知事となる大田昌秀が沖縄戦の全貌を詳細に書いている。彼は、沖縄師範学校の本科二年生。沖縄全土の中学・高校生は強制的に従軍させられ(不法にとある)、沖縄師範学校生徒は全員が鉄血勤皇隊として南部戦線の只中に投げ込まれ、本隊とともに敗走。彼は奇跡的に生還を遂げた。本書はその体験談は↓2022/01/18
サク
26
『沖縄は戦争がまだ終わっていない』空には毎日のように飛来する爆音機、町を行く先々に見られる米軍基地。戦争が終わったら自分の家も土地も消え、米軍基地になっていた。戦争の傷を負った人々の精神状態を思うと胸が打たれる。いじめを考える絵本『おおきなあな』と共感する。この絵本の著者も沖縄県出身。戦争体験者の心の『おおきなあな』はいつまでも埋まることがない。あの日のことを思うと発狂する人もいるという。多くの人が死んだ瞬間を見たのだ。戦争でいじめられた人々の心を埋める努力を我々日本国民が行うときが来ているのかもしれない2015/03/06
たまきら
19
ひとんちに土足で上がりこんで、勝手にごはんくいちらかして、こわして、ありがと~これからも現状維持で!あっ、金はなんとかするよ、だれかが!…沖縄や離島についてはもう少し違った研究が必要な気がするし、そういう本を読みたい。「美童物語」のような沖縄の神秘性と歴史を縦糸に、強いものに翻弄されながらもたくましく生きるうつくしくたくましい弱者・敗残者を横糸に。離島出身のじいさんの血が、自分の中にあるのが感じられる気がする。2017/10/02
allite510@Lamb & Wool
13
敗戦が決まり、軍中枢は多くの資料を焼き捨てたというが、沖縄についてはいまだにきちんと調査すらされていない部分もあるという。もはや「帝国」ではなく違う国になったはずなのに(本当に?)、今の政府もきちんと向き合いたくないのだろうとしか思えない。この本に掲載された資料の多くは米国立公文書館などから入手したものであり、世界中どこからでも事実として承認されうるものだ。久米島住民殺害事件に表れる残虐性など、日本人として「えー知らなかった」では済まされないようなことも、あるかもしれない。いやほんとに。2018/01/14
白火
8
今だからこそ、今こそ読む人が増えてほしいと思う。沖縄戦で起きたこと。戦争の惨禍。無かったことにだけは決してさせるな、と強く思う。2014/08/21