内容説明
動乱の幕末に、近代工業の芽を育てた人々と神田上水の流れ。勝海舟が遺した史料を軸に秘められた6年間の歩みを掘り起こす。
目次
第1章 プロローグ(黒船来航;品川台場の築造 ほか)
第2章 関口大砲製造所(建設計画;資材輸送路 ほか)
第3章 組織改革(小栗忠順の合理化案;江川解任と新しい人材の登用 ほか)
第4章 製造品(四斤山砲;蒸気軍艦「千代田形」の備砲 ほか)
第5章 滝野川への移転計画(鉄製砲を求めて;滝野川反射炉と千川上水 ほか)
著者等紹介
大松騏一[オオマツキイチ]
神田川芭蕉の会事務局長
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感想・レビュー
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petiska
1
黒船が浦賀沖に現れ江戸幕府は諸外国からの攻撃を懸念して海防への本格的な対策を迫られた。果たして関口大砲製造所で作られた国産の大砲は欧米の艦隊に向けて火を放つことができたのか。〜 有楽町線江戸川橋駅付近に幕末のころ軍事工場があったという話をちらっと聞いたことがあったので、図書館で目にして手に取った本です。製造所を設置した経緯や設置に関わった人物、当時の製造技術など、たった6年間という短い製造所の足跡を当時の記録をもとにして丁寧に追いかけた本書。幕末におけるひとつの物語です。2019/03/06
toriarii
0
スマホの修理中に気になって購入。 幕末徳川幕府の大砲製造所の歴史が記載されている。 幕末に湯島、滝野川と都内のごく近くに大砲製造所が建築されていたことを本書で初めて知った。 また、費用の算段、製造方法の試行錯誤、工場建造に必要な条件を解説してくれている。 記載は製造所とそれに携わった人物の記載が大半を占める。簡易ながらも 大砲製造の概要と技術的推移も知ることができるので、読んで損は無いと思う。2015/08/12