出版社内容情報
今、話題の「冬のソナタ」で言えば、ヨン様の恋敵サンヒョクの恋。断ち切れない初恋。受け入れられない恋。たった一人の女をただひたすら一途に想い続ける、切ない男のラブストーリー。切なくて、切なくて、涙無くしては読めません。ベトナムの現代小説。
内容説明
ベトナム北部の農村、ドードー村。小学校から幼馴染として育った、ハー・ランと私。後年、「つぶらな瞳」と呼ぶことになる彼女と私は、教室でも、放課後も一緒だ。二人そろって県都の中学校に進学してからは、席も離れ離れになって、友達に戻れるのは、週末に村に帰るときだけになる。都会にあこがれる女と、ひたすら彼女に思いを寄せ続ける男。
著者等紹介
加藤栄[カトウサカエ]
1953年神奈川県生まれ。東京外国語大学インドシナ科(ベトナム語)卒業。一橋大学大学院社会学研究科単位修得、中退。現在は大東文化大学国際関係学部、東京大学教養学部の非常勤講師としてベトナム語を教えるかたわら、ベトナム文学の翻訳、紹介につとめている
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感想・レビュー
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nekonekoaki
4
舞台は南部開放前のベトナム中部の貧しい村。主人公の幼なじみの男女二人は仲良く共に成長していくが、いつの頃からか二人の目指す未来は異なったものとなっていく。都市と農村の経済格差、働き手としてのこどもに対する大人達の期待と本人達の強い自覚が背景に見える。結末には決してハッピーエンドをもってくることができない作品だと後半に向かって感じ始める。村に咲き乱れる花々や熟れた果実などの豊かな表現は、この作品により一層の物悲しさを添えている。訳者=加藤栄。2004年8月10日初版第一刷発行。原書初版は1990年。2023/09/08
shidareyanagi
0
土地が人をつくる。 ベトナムに行くと、昔なくしたものを思い出せるような気持ちになる。また行きたいな。いろいろなものが変わってしまう前に。2017/01/08