内容説明
写真の場所や人の風景は、70年代日本の普通の人たちの普通の生活の場所だったのだが、今ではそのほとんどが存在する事のない失われた風景や物になり、写真だけが時代の忘れ物のように残った。
著者等紹介
北井一夫[キタイカズオ]
1944年中国鞍山市に生まれる。1965年日本大学芸術学部中退。1972年日本写真家協会新人賞を「三里塚」で受賞
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感想・レビュー
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Hiroki
2
練馬区立図書館 普通に見ていた風景。懐かしく温かく、しなやかで柔らかな風景。ガラケー・スマホなく、公衆電話やピンク電話があり、駅には必ず「2時間経過後は消す」と注釈された伝言板があり。田畑・里山・湖沼等全てに人の手が入っていた。縁側は茶飲み話の場。わんぱく小僧・お転婆娘がいた。菅公学生服や金鳥蚊取り線香のホーロー看板があり、雪は遊びの道具で囲炉裏の前には鍋番のオババがいた。電化・機械化・IT化と、次から次の「化」物語。どこかで進路を誤ってしまった僕らだけど、蟷螂の斧であっても何かやって終わりたい。2024/01/03