内容説明
先代小さんの門下になってから、5代目を襲名するまでを、笑いと涙で綴った半生の記。徴兵、二・二六、満州派遣、仏印派遣、敗戦、捕虜と、歴史の波に翻弄されながらも飄々と生き抜いた著者の昔がたりは、長編落語をたっぷりと味わったような充実感に溢れている。落語ファン、小さんファン、必読の書。
目次
噺家入門
前座時代
麻布3連隊
風呂と食事
二・二六前夜
冬の演習
吉原の思い出
かみさんとの出会い
食べるは楽し
グラマン襲来!
パンツとフンドシ
おいしいものとまずいもの
カムレの丘
戦争ごっこ
夜の新宿男泣き
真打昇進
師匠の死と小さん襲名〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
bapaksejahtera
12
小さんの談話を元TBSアナで演芸評論家の川戸氏が纏めた。小さんが226事件で麻布の連隊から駆り出された話は読んだ事があり、その結果何か懲罰的な扱いがあったと記憶しているが、それは事実と異なるようだ。本書では小さん入営から引揚げ頃までを扱う。嘗ては落語好きだった私としては、小さんは最後の贔屓落語家であり。興味深く速やかに読んだが、おそらく筆記者は小さんへの尊敬から余り編集せずに纏めたらしく、文章で読んでは面白みのない地口を頻に読まされるし、中には小さんなら絶対に使わなかった口調が出てきて鼻白む処が多かった。2022/07/22
Gen Kato
1
再読。徴兵当時の話を読み返したくなったので。明治~大正生まれの噺家の自伝にハズレなし。2013/10/20
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