内容説明
女に生まれ、そして母になった新川和江の、これはまさに「女の一生」詩華集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
124
こういう詩集を読むと、詩が好きで良かったと心から思えるし、この詩の言葉によって、自分の中の言葉が一新されて新しい人生が始まっていくのを感じる。大げさな言い方かもしれないが、言葉とはそれぐらい力のあるものだ。新川さんが表現しているのは無限に広がっていく愛だと思う。自分のパートナーや子供に対する愛を起点にして、花、木、動物、海、空、この世界全体を包み込む愛が溢れている。その愛は「わたしを束ねないで」を読むと分かるように、自分の枠にはめようとする世俗的な力と戦いによって生み出されたものだと思う。2015/10/02
新地学@児童書病発動中
112
素晴らしい詩集。絶対のお勧め。愛する喜びと悲しみと苦しみを、これほど鮮やかに描いた詩人はいない。はずかしい話だが、涙もろい私は新川さんの詩のいくつかを読むと泣いてしまう。心の深いところが掻き乱されるのだ。この詩人の詩を読むと、恋愛は単にロマンチックな行動ではなく、自分の胸の中にある欠落した部分を埋めようとする根源的な行為ではないかと思えてくる。母としての喜びを表現した詩も素晴らしい。これだけ人を愛することができたら、深い慈しみを持って子供を育てられるだろう。コメント欄で好きな詩の一部を紹介します。2017/01/12
ito
49
読友さんの感想で著者を知った。教科書にも載ってるほどの詩なので、どこかで出会った感じはするが、意識して読んだのは初めて。女性として、母親としての視点からあふれ出る言葉はどんどんしみ込んでくる。自分の感情を素直に柔らかくしなやかに吹きかけてくる。風のような詩集。「赤ちゃんに寄す」の詩は強く訴えかける。女性とはこんなに豊かな存在だったのかと。男性にも読んで欲しい詩集だ。2013/11/01
ちぃ
40
詩でこんなに感激したのは初めて。わたしを束ねないで、もっと他人、婚姻、結婚、ふゆのさくら が好きです。さっき映画『ティファニーで朝食を』を観てたので、余計に、束ねる愛と翼を与える愛について考えてしまいました。図書館本ですが買ってもいいと思えるくらい。2017/05/03
たんちゃん
39
素敵な詩集でした。なんでもない日常が言葉ひとつでキラキラしたものになるんですね。表題作「わたしを束ねないで」アダムとイヴのお話から「わたしはあなたの肋ら骨」だと表現される『婚姻』赤ちゃんの可愛いさを「未完成のままに、これほど完璧なもの」と言われる『赤ちゃんに寄す』成長された息子さんと友達の靴が船に見える『港』が特に良かったです。2014/11/19
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