内容説明
自分を叱る、自分を励ます。茨木のり子初の詞華集。
目次
自分の感受性くらい
見えない配達夫
女の子のマーチ
子供時代
娘たち
みずうみ
待つ
さくら
六月
わたしが一番きれいだったとき〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
108
大好きな詩人である茨木のり子さんの詩のアンソロジー。他の詩集で読んだものも多いが、ここで初めて読んだ詩もあった。よく知っている詩も、未読の詩と一緒に読むと新たな面が見えてきて面白かった。この本の中の「自分の感受性ぐらい」、「わたしが一番きれいだったとき」、「汲む」といった詩は想像以上に自分の血肉になっている気がする。私はこれからも繰り返し、茨木さんの詩を読んでいくだろう。2014/06/24
おくちゃん🌷柳緑花紅
93
今日は読友さんがレースのカーテンを洗濯しようと呟かれていて、そうだ!私もって思って家中のを洗濯した。夫が仕事から帰ってきてその事を話すと、「偉きなぁ‼ありがとう」と。この本の中にある「知命」ある日卒然と悟らされる もしかしたら たぶんそう 沢山のやさしい手が添えられたのだ 一人で処理してきたと思っている わたくしの幾つかの結節点数にも 今日までそれと気づかせぬほどのさりげなさで深く深くそうだなぁと共感した。2016/09/07
chantal(シャンタール)
91
「童話屋」という可愛い名前の出版社から出されているアンソロジー。「おんなのことば」の題名通り、茨木さんから「女はね、こうやって堂々と生きなきゃダメよ!」と発破をかけられてるような、そんな詩が集められている。そんな中「待つ」「あほらしい唄」はなんだか可愛らしい女心がうかがえて微笑ましくなる。「友人」の「遠く住み会ったこともないのに、ちかちか瞬きあう心の通い路なども在ったりする」の一説にちらほら思い浮かぶ読友さんもいたり😊 持ち運びにも便利な大きさなので、思い立った時に何度でも読み返したい永遠の名作!2020/03/09
aquamarine
72
「自分の感受性ぐらい自分で守ればかものよ」最初の一編で頬をはられた気がした。一気に目が覚めた。なんて深い、美しい言葉たち。読んでいて思わずすっと背筋を伸ばす。他の詩では音を立てるほど私の心臓を震わせる。また別の詩では、柔らかく寄り添ってくれ、頑なな心を柔らかくほぐす。これは本棚には並べず、いつも手に取れる机の上に置いておこう。きっとこれからも何度も私に必要になる気がするから。特に私に響いたのは「みずうみ」「知命」「落ちこぼれ」「聴く力」「感情の痩せっぽち」2020/01/02
KEI
59
茨木さんの詩に時には慰められ、励まされ、どやしつけられ、気が付かなかった事を知らされる…そんな力があります。その時々の心の状態に合わせて沁み入る言葉は違って来る事でしょう。今回は「知命」の【ある日卒然と悟らされる/もしかしたら たぶんそう/沢山のやさしい手が添えられたのだ】「聴く力」【どうして言葉たり得よう/他のものをじっと/受けとめる力がなければ】「みずうみ」【人間は誰でも心の底に/しいんと静かな湖を持つべきなのだ】に心惹かれました。小さいながら美しい装丁、私の枕辺に置いておきます。2017/01/11