内容説明
日本語にはコプラ(繋辞)はない。では、その構文はいかなるものか。欧米の形而上学の哲学・論理学をいたづらに日本語文法へ持ちこんだ国語学・国文法の誤謬を徹底して批判検証し、日本語自体の文法の正しい道筋を開く渾身の論述!佐久間鼎、三上章の言語理論・文法論を西田幾多郎の論述とともに詳細に、その意味と限界を把握し、本格的な日本語文法の基盤を明示する。「ある」「あり」は動詞ではない、形容詞である。主語なき「提題表現」と、九つの助詞による格表現との協働から、述語制言語である日本語の本質が明証化される。
目次
1章 日本語とコプラ
2章 「述格」と「陳述」
3章 「主格」という用語なき日本語文法の試論
4章 「ある」は動詞なのか、形容詞なのか
5章 日本語構文論の定礎を築いた佐久間鼎
6章 構文論の原理素描
7章 西田幾多郎の場所論と構文論
8章 ヨーロッパ諸語の「他者」としての日本語
9章 形而上学の言語と日本語の間の根本的非対称
10章 「コプラ」と「なり」の非対称
著者等紹介
浅利誠[アサリマコト]
1948年青森県生まれ。文筆家。元ボルドー・モンテーニュ大学言語・文化学部名誉教授。早稲田大学哲学科修士課程修了。新ソルボンヌ大学フランス文学科博士課程修了。(仏)国立東洋言語・文化研究院日本学科講師・准教授(1984‐2008年)。ボルドー・モンテーニュ大学言語・文化学部教授(2008‐2014年)。シュルレアリスムをベースにした年二回刊行の雑誌PLEINE MARGE,Editions Peeters‐France(1985‐2009)の編集メンバー、寄稿多数。日本語文法論を「季刊iichiko」に連載,主要活動は、比較文法論における日本語文法の世界的寄与の可能性を探ること(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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