源氏物語 虚構の婚姻

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 367p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784838602827
  • NDC分類 913.36
  • Cコード C3091

内容説明

平安朝の文学作品に関する「婚姻」の問題は、今までも様々な観点から解明しようとされてきたが、今なおその議論は紛糾している。本書では、「文学作品を婚姻研究の史料とすべきではない」という考えのもと、歴史的実態を押さえつつもそこから一端切り離し、『源氏物語』の表現や文脈に即して、物語における婚姻の描かれ方を探っていく。そしてそれを手がかりに、その独自性や虚構の方法を考察し、新たな婚姻研究の方法を模索した。

目次

平安朝の婚姻慣習―「妻」を表す用語から
第1部 婚姻研究史からの展望(婚姻居住形態と出自制;一夫多妻の内実;紫の上の妻の座)
第2部 婚姻居住形態から見る物語の論理(平安朝物語の婚姻居住形態―『源氏物語』の「据ゑ」をめぐって;「対」の女君―多妻の視座と「対の上」をめぐって;『源氏物語』東西の対)
第3部 一夫多妻制から見る物語の論理(宿木巻の婚姻と「ただ人」―身分の捉え直しをめぐって;女二の宮「降嫁」―今上帝の「婿取り」をめぐって;蛍宮と真木柱の婚姻―婿選びに際する発言をめぐって;「添臥」葵の上―初妻重視の思考をめぐって)
第4部 婚姻用語・慣習から見る物語の論理(髭黒召人の前景化―真木柱巻の方法をめぐって;平安時代の結婚忌月―東屋巻の「九月」をめぐって;平安朝物語における近親婚―『うつほ物語』『源氏物語』の方法をめぐって)
婚姻研究から見た平安朝文学史の再構築

著者等紹介

青島麻子[アオシマアサコ]
2004年東京大学文学部卒業。2012年東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。現在、日本学術振興会特別研究員、実践女子大学・成蹊大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

1
私の学生時代から『源氏物語』の婚姻研究は盛んに議論されていたけれど、確かに『源氏物語』は虚構であり物語内部の都合で描かれているという視点を忘れてはいけないと思う。一方で、歴史学の側から見た「婚姻のあり方の過渡期だった」との指摘も重要。それだけ敏感に時代の変化を感じ取り、掬い取って物語に取り込んだ作者の感性に改めて感嘆する思いがした。2019/08/01

Ayako Moroi

1
東大大学院に提出された博士論文をもとにした研究書。当然このレビューでは収まりきれないので、書評としてブログに書かせてもらいました。http://ameblo.jp/morohi/entry-12146997679.html2016/04/05

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/9751013
  • ご注意事項

最近チェックした商品