内容説明
本書は、一九五一年から一九九八年にかけて実現された一二の会話とインタビューを集めたものである。多くの場合、カルティエ=ブレッソンのインタビューは一度雑誌に掲載されて以降、再び表に出ることはなかった。それらのインタビューから立ち現れてくるのは、世界の状態について解説し、自らの辿ってきた道筋を振り返りながら、写真について人々の心を捉えながら情熱的に語る、ひとりの人間としてのカルティエ=ブレッソンの姿である。半世紀近くにわたるインタビューを年代順に配置することにより、彼自身の言葉が、写真家の考え方の進展をも明らかにする。そこからは伝説の中に押し込められた姿ではなく、それとは正反対に生き生きとしたカルティエ=ブレッソンの姿が浮かび上がってくる。
目次
彼自身の言葉によるアンリ・カルティエ=ブレッソン
ひとりの報道写真家
写真というものは、とても難しい
会話
生命を捉える
あなたから湧き出るもの
幾何学者でないものは立ち入ってはならない
肝心なのは、眼差しである
撮影することの得難い喜び
絶え間ない遊戯
撮影に価値はない、見ることがすべてだ!
人々はいつも話しすぎる
プルーストの質問表
アンリ・カルティエ=ブレッソンのインタビューの一部目録
著者等紹介
シェルー,クレマン[シェルー,クレマン] [Ch´eroux,Cl´ement]
フランスの写真史家兼キュレーター。パリ第一大学写真学博士。ポンピドゥセンター、サンフランシスコ近代美術館でのキュレーター職を経て、現在ニューヨーク近代美術館在職。世界中で多くの写真展を手がけている。また、写真について多くの著作・記事を書き上げている
ジョーンズ,ジュリー[ジョーンズ,ジュリー] [Jones,Julie]
フランスの写真史家。パリ第一大学写真学博士。ポンピドゥセンター写真部門のキュレーター補佐。フランス国立高等装飾学校で写真史を教える。ポンピドゥセンターやジュ・ド・ポーム国立美術館で多くの写真展の企画を手がける。写真についての多くの記事を書いている
久保宏樹[クボヒロキ]
映画史家、映画批評家。パリ第三大学映画学修士。映画史家アントワーヌ・ド・ベックのもとで映画史を学ぶ傍ら、映画批評家ジャン・ドゥーェに映画批評・映画理論を学ぶ。『週刊読書人』に連載、『ユリイカ』、『Nobody』などに、映画批評やインタビュー、翻訳を寄稿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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- 和書
- クジラの来る海 新潮文庫