内容説明
「女性嫌悪」とされるミソジニーとは何か?
「ミソジニー」についての初めての研究書であり、フェミニズム思想を刷新した注目作がついに翻訳。社会生活と政治の中にある「ミソジニー」を、分析哲学的アプローチで探究することで「ミソジニー」を定義し直し、それがどのように機能しているか明らかにする。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
29
大学の出版社とはいえ、このデザイン、この字体はないんじゃない!?本全体にふつふつと煮えたぎる怒りを、読者は感じ取れるかな!?読み進めながらも現在リアルタイムで起きているもろもろの事件を思いおこしタイムラグに驚かずにはいられない。アジア人女性としてはミソジニーと同時にBLM、Missing White Woman Syndromeなど特権階級の複雑さにも思いが行くけれど間違えてはいけない。抗議の細分化は無意味だ。いま女性たちは自分のために、娘のために、大きな潮流を溢れさせるべきだから…。熱くなれる一冊です!2021/10/14
katoyann
19
ミソジニーを家父長制を維持する法執行部門と位置付け、女性嫌悪という心理主義的な素朴理解を退け、男性支配を強化する一連の言動であると分析している。アイラ・ヴィスタの銃乱射事件からトランプ主義の席巻まで、様々な事例が男性特権という観点から分析される。「有力な社会集団の大部分は男性優位を維持することに強い関心をもつ」(同書373頁)とあるように、男性支配の秩序を脅かすような女性、つまり旧来の性役割に従わない女性への攻撃がミソジニーの本質である。自分自身の胸に手を当てて、ドキドキしながら読み終えた。2021/06/08
ズー
18
訳あって時間がないので、とりあえず100ページ読んで図書館に返却することに。ちょっと堅苦しく、小難しい口調で、小さめの文字でガッツリ書かれている本で、もうちょっとわかりやすく、簡単にまとめて欲しい…と思ってしまった。ミソジニストが絡んでいる事件や、時代の背景など知ることができたが、全部読めばもっと理解できただろなぁ。でもちょいまだ早すぎたかもってぐらい私にはちょい難しい言い回しなので、もうちょいライトなのを読みたい。2021/09/21
はるき
13
家父長制と女性蔑視。被害は拡大する一方。文章が堅くて読みにくいんですが、著者の熱量が凄くていつの間にか夢中に。科学は進歩しても、肝心の人間が100年前から抜け出せないのが悲しい限り。2024/10/13
hikarunoir
6
非モテ男の逆恨みでなく、構造的に「女は与える性」と見なされ男女共に育ち負の連鎖は続くとの見立て。著者もお手上げ。既に絶望し俺は人生を降りた。2023/06/05