内容説明
消えた京都湾のナゾ。京都・奈良盆地に関する最近の話題。最古の広域火山灰。180万年前にあった古奈良湖。90万年前にあった古京都湾。
目次
序章 自然史ことはじめ
第1章 京都・奈良盆地の底をつくる地層群
第2章 自然史の復元方法
第3章 年代の測定
第4章 いろいろな自然史
最終章 平安遷都と鴨川つけかえ
著者等紹介
横山卓雄[ヨコヤマタクオ]
1937年、中国東北地方、長春に生まれる。京都大学理学部、同大学院卒業。現在、同志社大学名誉教授。理学博士。専門分野は、地質学・第四紀学・自然史学などで、「琵琶湖の自然史」「京都・大阪の自然史」などの復元をしている。最近20年間は「過去500万年間のアジアの自然史」の復元をしている
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感想・レビュー
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chang_ume
3
京都盆地の地学基礎講義。たとえば「堆積の不整合」が何を反映しているのか、イメージ豊かな解説を面白く読みました。広域・長期の離水を想像したらいいのかな。結果、大阪層群に関する「満池谷不整合」「芝の不整合」の議論背景がよく理解できました。さらに堆積盆の古環境について、「古○湖」の実相=堆積層の分布域とするクリアーな解説も心地よい。著者を含めて戦後世代(おおよそ大阪層群研究の第一世代)は、地形発達のイメージを具体的に描いてくれる研究者が多いような。学史を切り拓いた試行錯誤の賜物なのでしょうか。2017/11/25