内容説明
写された「聖像」。戦前から戦後へと、「天皇」はどのように描かれ変容していったのか。権力の視線と製作者の意図との交点に結ばれたその姿を、さまざまな映画ジャンルに検証する。
目次
1 尊崇と禁忌の偶像(不在と崇拝のはざまで―戦前日本映画の天皇像;韓国皇太子と伊藤博文―明治末期の日韓皇室における映画の役割;『かくて神風は吹く』―歴史映画のなかの天皇;ハリウッドの天皇像―アメリカ映画にみるイメージ;空襲報道と天皇―『日本ニュース』第二四八号を巡って)
2 戦後映画の逡巡と試行(終わりの声/始まりの声―玉音放送と映画;『明治天皇と日露大戦争』―大蔵貢の「天皇映画」に見る懐旧と復古;天皇を演じる歌舞伎役者;現人神から生物学者へ―昭和天皇の科学者のイメージ形成;批判と中立と敬愛と―実験映像・ドキュメンタリーなどに見る天皇像)
3 『太陽』のインパクト(道化師としての天皇;天皇/日輪/鏡、そして映画)
著者等紹介
岩本憲児[イワモトケンジ]
早稲田大学名誉教授。専攻=映画史・映画理論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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