内容説明
室町時代中期以降、広い階層の人々に愛唱された流行歌謡「中世小歌」。男女の心情をうたった歌から浮かび上がるさまざまな愛のかたち、新たな美意識の発露や絵画との交響、近代作家への影響など、中世小歌の豊饒な世界をたどる。
目次
第1部 中世小歌を読む(森の巣烏―動物への視線;なほざりのほど―和歌表現との交差;悋気の人―嫉妬のさまざま;心の消え消え―閨の悦楽;十四歳になる―女盛りの基点 ほか)
第2部 中世歌謡と近現代の作家たち(菊池寛―愛誦の小歌;川端康成―舞踊劇「船遊女」をめぐって;三島由紀夫―書簡と初期作品から;塚本邦雄―第六歌集『感幻楽』所収「花曜」をめぐって;中村真一郎―「仙渓草堂雑詠」から)
著者等紹介
植木朝子[ウエキトモコ]
1967年生まれ。お茶の水女子大学文教育学部国文学科卒業、同大学院博士課程人間文化研究科比較文化学専攻単位取得。お茶の水女子大学助手を経て、現在、十文字学園女子大学助教授。博士(人文科学)。著書に『梁塵秘抄とその周縁―今様と和歌・説話・物語の交流』(三省堂、2001年。志田延義賞受賞)ほか
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