外地探偵小説集 〈南方篇〉

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  • サイズ B6判/ページ数 356p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784915961700
  • NDC分類 913.68
  • Cコード C0095

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぶうたん

6
シリーズ3冊目。書かれたのは戦前から戦後まで時代はバラバラだが、戦前から戦中の南方を舞台にしているところが共通のテーマ。本書でしか簡単に読めない作品も多く、そういう意味では貴重。ただ風俗的な興味を別にすると、ミステリ的な面白さはほとんど無いし、戦中の作品ではあからさまな歪んだ思想が描かれていて鼻白むところもある。とは言え、この時代の南方を描いた小説も、今ではそんなに読めるとは思えないので、意義のあるアンソロジーと言えると思う。2016/05/27

臓物ちゃん

4
図書館本。他にも『満州篇』や『上海篇』があったけど、いかにもミステリ向けな場所といった上の2つに比べて戦時下のシンガポール舞台のミステリってどんなのだろうと思って読み始めた。まず驚いたのが小栗虫太郎や海野十三や久生十蘭や井伏鱒二など、当時多くの小説家が南方の戦地に送り出されたという事実。そういう生で感じてきた人たちが書いてるだけあって世界観のリアルな息づかいが凄いのに、何故か耶止説夫の『南方探偵局』だけすげぇ「なろう」小説っぽい。あの幻想たる大東亜共栄圏の向こうでライトもハードもまとめて味わえる一冊。2015/05/28

りえぞう

2
憧れのかつての「南洋」を舞台とした探偵小説集(探偵ばかりでもないけれど)。グレゴリ青山さんのイラストの素敵さはもちろん光っている。小説の面白さを追うというよりは、当時の日本人のその国でのスタンスや南洋の風俗が分かって楽しい。小説としてはやはり陳舜臣の郁達夫を描いた最後の作品は別格。文章も格調高いし、読ませられる。2022/04/26

りゃーん

1
ミステリのアンソロジーは日本のものを中学から高校にかけて渡辺剣次や鮎川哲也で、欧米のものをクイーンやホックのもので30代でよく読んだものだ。 それから書店に行くとアンソロジーを手にするが、買ったことがない。 大半は読んでいるからだ。 全部読んだとは云わないが、半分以上既読だと買う気はしない。 それに最近のアンソロジーは切り口が面白くない。 名作集のやる気のなさや選者の作家人気にあやかるとかもう、ね。 鮎川哲也なんて偉くて、鉄道もの、怪奇もの、音楽もの、ジャンルや趣向で縛りを作るのが上手かった。 そんな2014/10/08

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