内容説明
両親が残した人形をつくる仕事を続けながら、ひとりで暮らす女の子ゴールディーは、人形を作るときいつも、四角く切られた木っ端ではなく、森で拾った枝を使っています。それじゃないと「生きている」感じがしないからです。ただのにんぎょう、と友達のオームスに笑われてもひとつひとつに心をこめて、ていねいに仕事をしています。そんなある日、お気に入りのお店で、ゴールディーは今までに見たこともないほど美しい中国製のランプを見つけます。そしてすばらしい出会いをすることになるのです。
著者等紹介
ゴフスタイン,M.B.[ゴフスタイン,M.B.][Goffstein,M.B.]
1940年米国生まれ。ミネソタ州セントポールに育つ。現在はニューヨークに住む
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
masa@レビューお休み中
107
友人がゴフスタインのことを好きで良かった。絵本を貸してもらわなければ、この良さには自分では気付けなかったにちがいない。ハッとする言葉も、ドキッとする行動も、ここにはあるんです。ゴールディーという女の子がつくるお人形はどんな高価な人形よりも素晴らしいものではないかと思うんです。それは単に人形職人としてのこだわりとか技術といったことを言っているのではありません。言葉にするのが難しいのですが、強いて言うならば、唯一無二のお人形だからではないかと思うんです。その人が求めているたったお人形をつくる女の子の物語です。2016/04/09
ゆのん
59
【児童書】絵に惹かれて読んだ。エドワード・ゴーリー的かと勝手に期待していたが、内容は暖かいものだった。両親から引き継いだ人形作りという仕事に拘り、自分だけの気に入った生活をするゴールディーが羨ましくなる。1642019/05/19
天の川
39
仕事は効率だけではない。誠意と愛情をもって、見知らぬ友人に届けるためのものを作るのだ。ゴールディは職人として、心を込めて人形を作る。作者ゴフスタインは語る。「何かひたむきに自分を捧げるものがなければ、その人生はつまらないものだ」と。職人の作品だけではなく、仕事に関してだけではなく、何かひたむきに自分を捧げるものを私は持っているだろうか?と自分に問いかける。シンプルな絵だからこその温みがある本でした。2016/01/08
しゅわ
34
【図書館】両親が残した木彫り人形作りの仕事を続けながらひとり暮らす女の子ゴールディーの物語。ある日、美しい中国製のランプを見つけて一目惚れ…無理をして買ってしまいます。最初は喜んだ彼女ですが、ひとの意見に影響されて自信がなくなってしまう…そんな様子が等身大で良いですね。「会ったことのない友だちのために」と地味だけど手を抜かず、丁寧な仕事をするゴールディーの様子があたたかい一冊です。2014/03/03
ヒロ@いつも心に太陽を!
34
《会ったことのない友だちのために。どこかの誰かがきっと気に入ってくれると信じて、一生懸命つくる。》幸せは人のものさしではかるものではない。そして、心を込めて作られたモノは人を幸せな気持ちにする力を持っており、その気持ちは誰に止められるものでもなければ否定されるものではない。それに気がついたゴールディーは、きっと今まで以上に自分の仕事にやりがいと喜びを感じて、これからも素敵な人形を彫り続けていくことだろう。ものづくりを仕事にしているわけではない私にも何かを気づかせてくれた一冊。2012/08/25