内容説明
現代に生きるドストエフスキー文学の本質を作家の対話的人間観と創作方法の接点から論じる。ロシアと日本の研究史の水脈を踏まえ、創作理念の独創性とその深さに光をあてる。国際化する研究のなかでの成果。他にドストエフスキーの現代性について、作家のゆかりの地を訪ねてなど、興味深いエッセイ多数。
目次
第1部 対話的人間観と創作理念(ドストエフスキー文学の魅力―言葉なき対話について;ドストエフスキーの主題と創作理念の関係をめぐって―“サストラダーニエ”(同情、憐憫)と“他者性”の問題
『白痴』論―“貧しき騎士”ムイシキン公爵の“運命の高貴な悲しみ” ほか)
第2部 文献批評・解題(ドストエフスキー文献解題;ソ連における研究・批評の変遷―三〇年代以降七一年(生誕百五十周年)まで)
第3部 フェージャの森(ドストエフスキー文学と時代精神;現代に生きるドストエフスキー―生誕百五十周年に寄せて;ゴーゴリとドストエフスキー ほか)
著者等紹介
木下豊房[キノシタトヨフサ]
1936年長崎市に生まれる。早稲田大学大学院文学研究科博士課程(露文学)修了。現在、千葉大学教授
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