内容説明
邪悪な影に覆われた港町インスマスで連邦政府がとった異常な行動の真相とは…。その慄然たる謎を明かすH・P・ラヴクラフトの傑作「インスマスを覆う影」をはじめ、悍しい伝説に包まれたトレモス館に再び甦る恐怖を描くC・A・スミス「名もなき末裔」。怪奇小説家ヘイワードの忌わしい想像力の源泉を辿るH・カットナー「侵入者」など、旧支配者の闇の力に囚われた人びとの恐怖を描く6篇を収録。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェルナーの日記
39
本シリーズの第8巻目。やはりラブクラフトの作品が、抜きんでている。本作では、ディープ・ワンズ(深きものども)を取りあげた『インスマスを覆う影』が収録されている。あと、俊逸と観じた作品は、クラーク・アクトン・スミスの『名もなき末裔』だ。ラブクラフトとダレースの合作『屋根裏部屋の影』は、ダレースの作風が強くでている感が否めず、イマイチの観が払拭できない。2015/07/27
ちぬ
4
既読であるインスマスを覆う影が長いせいで他は短めの作品がそろっている。あっさりし過ぎて拍子抜けの作品もあるが、良くも悪くもクトゥルーらしい小話。2012/03/28
Smith, Ordinary. Person.
3
クトゥルフ神話に限りませんが、物語において登場人物が危機を迎える契機は概ね「自ら立ち入る」か「巻き込まれる」かのどちらかでしょう。前者は良くも悪くも自業自得の結末を迎えることが多く、後者は巻き込んだ相手が悲劇的な結末を迎えることが多いと感じます。ところで、現実は巻き込まれるパターンが圧倒的に多いと思いませんか? 特に正論が通じず、一方的に主張や自論を押し付けてくるような相手に。8集は異形ではなく狂人を相手にする密室劇『電気処刑器』を始め、ラヴクラフトの傑作『インスマスを覆う影』など7編を収録。2021/06/26
demoii
3
『インスマスを覆う影』は何度読んでもおもしろい。中盤までのだらだらした旅行記も再読してみると伏線がたくさんある。最後は言わずもがな2011/12/07
りあ
2
インスマスを覆う影が目当てで買ったのですが、ラヴクラフト以外の作家によるクトゥルフ神話も楽しめました。狂気に魅入られてゆく主人公に彼を助けようとするローダという変わった構図でみせる「屋根裏部屋の影」、どう見ても御大です本当にryな「侵入者」、トレモス卿疑ってすいませんでした「名もなき末裔」あたりが好み。2013/04/10