出版社内容情報
人とのつながりをさがす少女たち。 中3の佳苗は、先生から不登校の春名に会いにいってほしいとたのまれる。春名は佳苗に、復讐したいという。理由がわからない佳苗は、とまどうばかりなのだが…… 小学上級から
著者等紹介
草野たき[クサノタキ]
1970年、神奈川県生まれ。実践女子短期大学卒業後、会社勤務。99年、『透きとおった糸をのばして』で第四〇回講談社児童文学新人賞を受賞しデビュー。同作で第三〇回児童文芸新人賞受賞
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひめか*
55
再読。草野さんの本にハマったのは中学生の時。長編ではなく文体も軽くて読みやすいが、内容はすごく濃くて所々重たい。それでいて最後は爽やかに終わる。そんな草野作品が大好き。思春期に抱く複雑な気持ちや人間関係の苦しさが上手に描かれている。今読めば小さいなと思うことがいっぱいある。佳苗や春名に、あの頃の自分に教えてあげたい。大切な人との絆は強くて、形にならなくても目に見えなくてもちゃんとあるんだよと。相手に好かれたいがために努力することもあると思うけど、頑張らなくても見ていてくれる、守ってくれる人はいるんだよと。2015/07/02
ymartak
26
日常の小さくて重大な出来事=気持ちを直視する勇気。平易なのに的確な文章。印象的な表紙とタイトル。面白い作品でした。2013/05/21
ららぴぴ
19
児童文学のような雰囲気だけど不穏な空気があちこちにあって、次々と主人公を襲う。紗枝子さんは大人になる事から逃げ、佳苗は向き合う事から逃げていた。どちらも成長出来て良かったなと思う。薄い本なのに内容は濃い!2014/04/20
みさどん
18
高校生の頃、トイレに一緒にいってばかりの女子集団をケッと思っていた。そういう気の遣い合いからは離れていたいと思っていたな。出てくる女の子や女性があるあるって感じで、気持ちがよくない世界だ。本音を語れる人がいるというのは幸せなことだと思う。正直で素直であることが友達作りにも一番かもしれない。2015/07/27
あつひめ
18
大人の誰もが思春期の頃に経験したことかもしれない。誰かを独り占めしたい心の揺れ。誰しも自分だけを見つめていてほしいものね・・・。草野さんの作品は、揺れ動く心をちゃんと成長させて一番最後のページをめくり終わってからもその先に主人公の元気で明るくなった声が響いているから・・・後味もよく、今度はどんな人とめぐり合わせてくれるかな?と草野さんの作品を楽しみにするようになります。人とのかかわりを真摯に受け止める中学生、乳癌を患っても心の支えになる友だちを求める主婦・・・みんな誰かを求めてるんですよね。2010/03/24
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- 海馬の尻尾 光文社文庫