内容説明
1590年代から1642年の劇場閉鎖まで抜群の集客力を誇るレパートリーであった英国史劇。権力側の歴史観をそのまま反復するのではない、シェイクスピア史実改変のありようを分析し、ラディカルな娯楽コンテンツとして作り替えられたシェイクスピア歴史劇の魅力に迫る。日本シェイクスピア協会の俊英8名が、『ジョン王』『リチャード二世』『ヘンリー四世』『ヘンリー五世』『ヘンリー六世』『リチャード三世』『ヘンリー八世』に挑む。歴史劇受容の歴史や、歴史劇のテクストへの書き込みを論じるユニークな論も収録。
目次
第一章 『ジョン王』 ロンドンの経済発展とシェイクスピアの『ジョン王』
第二章 『リチャード二世』 『リチャード二世』、極悪暴走王の娯楽化
第三章 『ヘンリー四世』 『ヘンリー四世』二部作にみる反戦の声―女性・フォルスタッフ・下層階級の男性
第4章 『ヘンリー五世』 「軍神マルスの猟犬たち、飢餓と剣と炎」をめぐって―『ヘンリー五世』創作における劇作家の仕事
「忍び寄るささやきと凝視する暗闇があまねく天下に満つる時」―一五九九年のロンドンと『ヘンリー五世』
第五章 『ヘンリー六世』 ジャック・ケイドはいかに表象されているか―反乱の狂騒と扇動政治のリアリズム
第六章 『リチャード三世』 『リチャード三世』における歴史の改竄と〈舞台上のマキャヴェリ的人物〉の孤立
第七章 『ヘンリー八世』 「リトル・イングランド」からの歩み―ジェイムズ朝中期の歴史認識と『ヘンリー八世』
第八章 歴史劇のテクスト 英国史劇はシェイクスピア・フォリオでどのように読まれたのか―初期近代の読者/ユーザーが残した痕跡から
著者等紹介
中野春夫[ナカノハルオ]
学習院大学教授。東京大学大学院人文科学研究科英語英米文学専攻博士課程単位取得退学。埼玉大学教養学部助教授を経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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