内容説明
陽炎の燃える台地に椎の実のように固い殻をかぶって三百年も存続した共同体が、特攻隊が進出すると何の抵抗もできず崩壊した。一方で市街地は特攻隊とともにカーニバルのように賑わったが、それもつかの間、アメリカ軍の空襲を受けて時代の終末を迎えた。特攻隊を率いる野中五郎飛行隊長は、特攻の無謀さを糾弾しつつも大部隊で初出撃して全滅した。それは糾弾の理由を実証した。この時代、特攻隊をめぐる出来事が地元の人々の日常を揺さふり続けた。…茂樹はこの地に生まれ、数々の伝聞をもとに、いま、その時代を描いた。得意芸の『シネマチックロマン』として。
著者等紹介
郷原茂樹[ゴウハラシゲキ]
1943年8月、大隅半島に生まれる。現在は鹿児島市と鹿屋市に居住し、創作活動を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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