出版社内容情報
時間変化にさらされる「物質(モノ)」としての建築と、時間をこえて生き続ける「建てる技芸」としての建築。ふたつの視点から西洋建築の歴史をとらえなおし、スクラップ&ビルドありきの建築観を脱して真に豊かな建築文化のありかを示す。『時がつくる建築』のさらに先へ――。
【目次】
はじめに
第一章 時間と建築
一 時間・物質・構築
二 建築の寿命と死
三 建築の技術と時間
第二章 建築の倫理性(モラリティ)と物質性(マテリアリティ)
一 近代建築史学の誕生
二 モダニズムの美学と倫理
三 表層の仕上げ
四 建築の物質性の可能性
第三章 近代建築のラグジュアリー論
一 ラグジュアリーから見た近代建築史
二 スラムの建築論:非ラグジュアリーの建築
三 労働者住宅の改良の試み
四 ラグジュアリーvs.モダニズム――反ラグジュアリーの建築
第四章 一九世紀インテリア論
一 ファブリックとインテリア
二 ヴィクトリア朝時代のインテリア
三 布地に対する熱狂:百貨店と建築空間
四 ロンドン万博とインテリア
第五章 ラグジュアリーの凋落とモダンデザインの興隆
一 ラグジュアリーの凋落
二 モダンデザインの興隆
三 フランスにおける装飾芸術(アール・デコラティフ)の問題
四 白ペンキとモダニズム
第六章 コンクリートの文化史
一 コンクリートとはなにか
二 歴史のなかのコンクリート的マテリアル
三 歴史のなかのコンクリート的構築術
四 現代社会とコンクリート
第七章 鉄の歴史と構築文化
一 鉄と建築の歴史
二 古代から中世へ
三 近代に向かう鉄と建築の構築文化
おわりに



