内容説明
「認知症の人にはさまざまな問題があり苦しいことがある、ということはもちろん知ってほしいと思います。けれども、その中で生きる人の姿を伝えることで、みなさんに「ああ、認知症の人はそんなすごいことをしているんだ。ファンになってみようかな」という気持ちになってもらえれば、と期待しています」認知症の人たちが懸命に生きる姿から、どれほどの豊かさを私たちは受け取ることができるか―。看護の現場から臨床哲学へと歩んできた著者が、専門家ではない「ふつうの人」だからこそできるケアについて語り、認知症の人のファンになってほしいと呼びかける。今・ここにある「老い」と真剣に向き合い、丁寧に付き合っていくためのヒント。発達心理学者・麻生武との対談や「家庭介護のポイント 実践編」も収録。
目次
1 ふつうの人のための認知症ケア(認知症の人のファンになってください;認知症と呼ばれる老い人が「うちに帰りたい」と言うとき;対談 認知症の人とのコミュニケーションについて―発達心理学と臨床哲学の視点から 麻生武×西川勝;老いていくこと、あるいは若さと老い)
2 家庭介護のポイント 実践編(介護者の心構え;部屋の整備;家の中での転倒を防ぐために;家の中でもしも転倒したら;理想の食事 ほか)
著者等紹介
西川勝[ニシカワマサル]
1957年、大阪生まれ。専門は、看護と臨床哲学。元大阪大学コミュニケーションデザイン・センター特任教授。現在はNPOココペリ121理事。高校卒業後、精神科・透析治療・老人介護の現場で看護師や介護士として働く。一方で関西大学の2部で哲学を学び、後に大阪大学大学院文学研究科博士前期課程修了。現在は「認知症コミュニケーション」の研究を行いつつ、哲学カフェやダンスワークショップなどの活動にも取り組む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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