内容説明
「皇室典範」では、皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承すると規定されています。この間、皇太子夫妻に男子が生まれなかったことから、政府は天皇制の存続のため、女性天皇を容認する典範改正を図ろうとしました。これを巡って賛否の論争が行なわれましたが、秋篠宮家の男子出産でひとまず棚上げになっています。ですが、いずれは「お世継ぎ」に伴う典範改正もやってくると思われ、この問題が何を意味するのかを明確にする必要があります。夫婦の幸せにとって、また、女性や子どもの幸せにとって、天皇家の家長としての地位はプラスなのか、天皇制を維持することがプラスなのか。本書は、歴史を踏まえ、この問題に厚みのある論点を提供しています。
目次
1 どこへ行く女性天皇論争(親王誕生が意味するもの;なぜ女性は天皇になれないのか;女性天皇容認論が浮上した背景 ほか)
2 日本の源流と女性の役割(万世一系の神話はどこまで真実か;日本もまた母系制から始まった;記紀神話を正しく読むために ほか)
3 天皇の継承と戦争の関係(建武中興から幕末までの天皇;帝国憲法と旧皇室典範の関係;帝国憲法下の天皇たち ほか)
著者等紹介
佐藤文明[サトウブンメイ]
フリーランス・ライター、戸籍研究者、批評者。1948年東京生まれ。自治体労働者(戸籍係)を経て、フリーに。“グループ社会派”で活動。1979年に“私生子”差別をなくす会を結成(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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