目次
1(日差しを返す;7;ざざん、ざざん;たしかな寝息;磁力 ほか)
2(病棟/十四歳の記憶;ひろしまの〓;バイダ;〓〓;トマトのへた ほか)
著者等紹介
斎藤美衣[サイトウミエ]
1976年広島県生まれ。2023年第69回O先生賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yumicomachi
3
30代はじめからのおよそ17年間の作品を中心に収めた第一歌集。芯がありつつ柔らかな文体、繊細な身体感覚、世界を捉えるまなざしの清潔さが印象的。抱っこ紐の会社の社長としての歌や10代での闘病を回顧した歌など歌材は幅広いが、私が好きなのは子育ての歌だ。子を対等な人間として見ている感じが良い。〈死んでゆくときは頭のほうから?と月見うどんをすすり子は問ふ〉〈いつしんに子は分解しぴかぴかのはだかんばうの素数が並ぶ〉等。栞文を川口晴美、吉川宏志、高野公彦が、帯文を大松達知が寄せている。装幀も素晴らしい。2024年刊。