感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kamakura
5
これこそが学び場だと言うことがよくわかる論考集。学生運動が皆無になる中でも、吉田寮が自治を貫き、寮解体の危機をくぐり抜け、裁判で勝利している。それは京大生ではない人も含んだ寮居住者が、全員一致(徹底議論、という理解でいい?)でものごとを決め、「原則的かつ柔軟」というスタイル&本質を大切にしているからだと思う。論考の1つにあるように、もし吉田寮が京大生という特権的地位にしがみついて、寮を自分たちのみの砦としていたなら、吉田寮は生き延びては行けなかっただろう。そういう精神的営為・思考こそが真の学びだと思う。2025/03/22
Go Extreme
1
学び、暮らし、自由を考える場: 建物・自治・歴史 話し合い・自由そして歴史と現在 ニューヨークと吉田寮の共通点―人間は対等であると信じること 一緒に場を作る―京都大学吉田寮の共在秩序 京都啓蒙と吉田寮―スコットランド啓蒙との共通点 寮自治とフェミニズム―オールジェンダートイレ 木造建築と寮生活: 人間性を鍛えてくれた自炊制度と寮生活 古い建物とともに暮らす 木造建築と吉田寮の魅力 吉田寮の建築的な価値 寮食堂と厨房の位置づけを考える―吉田寮の解放と多様性の獲得 自治寮とシェアハウス2024/08/25
tnk
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生活から自治が生まれる、多様性が共同体を強くするなど、場所に根ざした運動の普遍的な方法論について、さまざまな年代の関係者による証言から学べる。ただ、現状に関する記述は薄く、2024年出版ながら5年前にできた原稿が多い。入口としては不向きか。2024/06/05