出版社内容情報
国境も定かでなく、
互いに未知の存在だった時代から、
私たちはいかに出会い、交流してきたのか?
大昔から衝突と融和を繰り返しながら、濃密な交流を展開してきた日本とロシア。戦争や領土問題など、20世紀の対立の陰に隠れ、歴史の暗がりに埋もれてしまった400年の厚みある関係の多面性を、色とりどりのエピソードとともに生き生きと再構築。
モノクロ図版約100点、カラー図版約30点と、ビジュアル資料も充実。ヒト、モノ、情報の流れに着目した新しい入門書!
“日露関係史を基軸に国際関係史を教えてきた私は、よくこのようなフレーズで両国が歩んだ道程を説明します。日本とロシアは「逆転を繰り返した関係」だと。常に暗いイメージだったわけではなく、もちろんずっと良いイメージだったわけでもなく、「先生」から「ライバル」へ、「敵国」から「同盟国」へと、ジェットコースターのように激しく上下左右に揺れながら、何度もその関係を展開あるいは転回させてきた、ということです。そのダイナミズムを一緒に追究していきましょう。[…]目指すのは、各時代を生きた、そして近くて遠い日露間を行き来していた様々な人の「動き」や「顔」が見える、生き生きとした日露関係史です。”(「はじめに 日露関係の出発点」より)
内容説明
国境も定かでなく、互いに未知の存在だった時代から、私たちはいかに出会い、交流してきたのか?400年の厚みある両国の関係は、「戦争」や「領土問題」だけではなかった!ヒト、モノ、情報の流れに着目した新しい入門書。
目次
第1部 初めての対面から、正式な国交樹立まで(ロシアに渡った初の日本人―ニコラスの旅;相互認識の起源―日本とロシア、それぞれのイメージ;漂流民と日本語学校―流れ着いた最初の使者、立川伝兵衛;日本を目指すロシア人―「元文の黒船」事件;ロシア脅威論の出現―ある冒険家をめぐるスキャンダル ほか)
第2部 加速する外交、多様化する相互認識(「ピョートル・モデル」―近代化の師としてのロシア;加速する両国関係―開国後の「最初の危機」を乗り越えて;箱館と長崎―日露交流を担った町;日本における正教会(1)―ニコライの来日
日本における正教会(2)―知識人にとどまらない庶民レベルの交流 ほか)
著者等紹介
ヤロスラブ,シュラトフ[ヤロスラブ,シュラトフ] [Yaroslav,Shulatov]
1980年生まれ。ロシア極東出身。早稲田大学政治経済学術院教授。歴史学博士(2005年、ハバロフスク国立教育大学)、法学博士(2010年、慶應義塾大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。