内容説明
クィアの視点から民俗学の新たな可能性を拓く。
目次
はじめに―クィアをめぐる人文学の状況
第1部 民俗学史からクィアを考える(日本民俗学クィア研究史;南方熊楠と岩田準一の「男色談義」)
第2部 「いま・ここ」からクィアを見通す(大阪「LGBTの駆け込み寺」の実践;ゲイバレーボールチームの現代民俗学;長崎のマダムナンシー)
第3部 クィア民俗学の展開(性的マイノリティは差別を「笑い話」に変えるのか?;異類/婚姻/境界/類縁)
おわりに―民俗学の挑戦
著者等紹介
辻本侑生[ツジモトユウキ]
1992年生まれ。弘前大学地域創生本部助教。専門は現代民俗学、地域政策・地域社会論
島村恭則[シマムラタカノリ]
1967年生まれ。関西学院大学社会学部長、教授。専門は、現代民俗学、民俗学理論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kokekko
2
いい本だった! いわゆる古い民俗学の中で「男色」と言う要素がどういう風に扱われていたのかから、どうしてゲイの『バレーボール』サークルが多いのか、沖縄のゴリラ女房(という昔話がある)の話の示すところは何なのか等、いろいろな論点から今のところざっぱにマイノリティとされている人々のありかたを研究している。でも彼らは昔から確かに存在していたのだ。2023/11/12
たろーたん
1
クィアが好きで読んでみたけど、やはり民俗学は合わなかった。足立区短歌は、私も面白くて調べたことがあった。でも、足立区短歌を紹介して(私たち二人だけでも滅ぼせる 世界があるってニュースで聞いた。僕たちに特別な力はないけれど何かしらんが滅ぼせるらしい)、それに批判しているツイート(足立区短歌をやってる奴は足立区に住んでないだろ。もう足立区なら何言ってもいいと思ってるだろ)を紹介して、最終的には「ここにいてもいい」に収斂したってことの顛末を載せることに、何の面白さや学術的な意義があるのだろう。(続)2024/05/26