出版社内容情報
世界を知り、無知を知り、人間を知る。
偏見を助長してきた言葉や文脈を更新し、日本で流通してきた「LGBTQ+」情報の空洞を埋める希望の書。
【紀伊國屋書店チャンネル】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こばまり
51
昨今最も蒙を啓かれた一冊。併せて、突き詰めることなしに、刷り込まれた価値観や曖昧な感覚で分かったようなつもりなることの愚かさを反省もした。「むずかしいことをやさしく」が実践されておりその点においても堪らなくCOOLだ。教科書として手元に置きたい。2022/04/10
katoyann
28
アメリカ在住歴25年のジャーナリストである著者が自らの経験も交えながら、アメリカのLGBTQ +の運動史を記した大著。アメリカでは公の議論が奨励される。政治のことを侃侃諤諤話し合うことが日常であり、子どもも積極的に差別に抗議することが賞賛される。アメリカ社会でのセクシュアル・マイノリティの権利保障を確立する要素は、民主主義の基盤となるコミュニケーションが成熟している点にある。文化史としても大著だが、友情と愛情(性愛)は地続きであるとする思想が画期的。二元論(バイナリー)を超えて、包摂と連帯を志向すべし。2022/02/03
カイエ
8
「カミングアウトしてわかることは、カミングアウトした自分の“正体“というよりもむしろ、カミングアウトされた相手の“正体“なのかもしれません。」読みながら確かにそうだなと思った。私自身、ゲイのアイデンティティを守るためのアクションについては共感を持って読めたのだけど、性体験の話となるとあまり具体的には聞きたくないと思ってしまう。それは異性愛についても同じなので同性愛差別というわけではないのだろうけど。そんなわけで14章以降は流し読みになってしまいました。要再読。2022/06/15
どら猫さとっち
6
LGBTQ+が日本でも社会的に認知されるようになったとはいえ、今も偏見や差別は多い。これまでのLGBTQ+と、これからの在り方そして未来を、アメリカで取材したNYCプライド・パレードのレポートと、著者のこれまでの人生を見つめながら書いていった、全人類の必読書。まだLGBTQ+の実像を知らない人に、読んで欲しい名著。2023/03/18
アーク
5
社会的に徐々に認知されるようになってきたLGBTについて、アメリカの昨今の事情を知るのに役立った一冊。本書はLGBTを取り巻く環境のみならず、その深層心理や文化、そして闘いなどなど、包括的にかつ詳細に綴っていて資料的な価値も高いな、と思った。LGBTを取り巻く環境は開けてはいるけれど、日本ではまだまだその状況は厳しい。それを打開するために読んで損はない一冊。2021/10/26
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