感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kei
5
初めて一般文芸の百合ものに手を出してみたが、普段読んでいる百合ラノベとは大分違った印象の話が多かった。「これ百合なの…?」と言いたくなった作品がちらほら。/最後の話が個人的には一番入ってきた。読解力があれば他の作品ももっと楽しめるのだろうけど。2023/03/11
もっち
5
何か辛気臭い話ばかりだなあと感じてしまうあたり、私はこの本の良い読者ではないのかもしれない そんな中でも御神楽は切ないながらも美しくて好き 伊島糸雨の世界感もよかった2023/02/24
七穂
3
現代劇からSFまで多様な百合が楽しめる満足感高い一冊。 私が個人的に好きな作品は『n乗目の嘘』でした!治安の悪い世界の百合は素晴らしい! 嘘を重ねていく中、ほんの少し見える本当とのコントラストが悲劇的だけど美しい。嘘の中でも二人が過ごした時間と二人の気持ちだけは本当なんですよ、ってベタかもだけれどやっぱり好きです。 『人よ、子らのスティグマよ』も好きでした。SFと百合の親和性の高さを再認識。人と機械は愛し合えるのか、その先に何があるのか、に対する一つの答え。機械が生身の人間と同じ感情を持つ展開は感動的。2023/03/02
すったもんだ
3
THE同人。自己満足の世界。まず『あーちゃん』ラノベでよく見られるどうでもいい事を延々連ねる文章。連ねている割に肝心のあーちゃんが見えてこない。『嘘n』作中のリアリティレベルが終始気になった。全体的に古臭すぎる。後センスが…。『不安スポンジ』短くてなんとも。『くくり』『東京デザート』文体で挫折。他『人よ』『過去に』『セイレーン』『ドロステ』…面白いと思わなかったけれど、自分が合わなかっただけかもしれない。創刊でこのラインナップはちょっと。2023/05/23
Reticle
2
人よ,子らのスティグマよ≫思い起こすのはリラダン「未來のイヴ」の一節――「それを身代りに立てて人間の魂を救へるやうな,或る電氣人間といふものの創造方式を公式化することが可能ならば,『戀愛』の一方程式を『科學』から抽き出してみよう」。この十九世紀の予言の書から,現代の我々の認識はどれだけ進歩したか。最適化された応答を愛と信じることへの疑問,人間への潜在的危害の抑止機構,最適とは矛盾する感情回路。著者によって結末で鮮やかに抽き出された「方程式」は,百年前の天才小説家が思いもつかなかった機微な形をしている。2023/09/09