感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
どら猫さとっち
11
戦争トラウマは、近年注目された言葉である。過酷な戦場で、極限の世界で傷ついた心は、後の家族を苦しめ、自らも追いつめられる。今もフラッシュバックなど、戦争での記憶で苦しめられる方々もいる。それは時間と共に癒せるのだろうか。精神科医と戦争被害者の家族を支える集会の主宰者が語り合う、傷を抱えて生きることや平和の願いの対話。後半は開催されたシンポジウムの模様を収録。苦しみの連鎖を起こさないためにも、戦争は反対する。2025/11/04
二人娘の父
5
「ルポ戦争トラウマ」「戦争とトラウマ」に続いて手にした。蟻塚医師は「沖縄戦と心の傷: トラウマ診療の現場から」(大月書店)で、診療を通じて体験した沖縄戦独特のトラウマの現れについて明らかにした人物。一連の書籍を通じ、戦争の本質理解への手掛かりを、また一つ得られた思い。本書では中国、韓国、沖縄と日本の被害の側に立つ人たちと戦争トラウマについて語り合う。実態は、加害・被害を単純に対立軸とすれば事足りるような甘いものではなく、国家による実態の認知と反省、賠償など一連の取り組みが求められることが浮き彫りになる。2025/10/10




