出版社内容情報
庄野 雄治[ショウノ ユウジ]
著・文・その他
内容説明
「ここには融合はないけれど、分断もない」ブレンドコーヒーという小さな世界を変えるために綴った23の物語。言葉のあるコーヒーロースター、アアルトコーヒー・庄野雄治。ロングセラー『誰もいない場所を探している』から7年、待望の書き下ろし随筆集が完成。妻子がありながら36歳で会社を辞めてコーヒーロースターになった凡人が、焙煎しながら真剣に考えたこと。混沌とした現代を楽しく豊かに生きるためのあれこれを、愛のあるあたたかな筆致で綴りました。
著者等紹介
庄野雄治[ショウノユウジ]
コーヒーロースター。1969年徳島県生まれ。大学卒業後、旅行会社に勤務。2004年に焙煎機を購入しコーヒーの焙煎を始める。2006年徳島市内に「アアルトコーヒー」を、2014年同じく徳島市内に「14g」を開店。主な著書に『誰もいない場所を探している』『たぶん彼女は豆を挽く』『徳島のほんと』(福岡晃子との共著)『コーヒーの絵本』(平澤まりことの共著)、編書『コーヒーと短編』『コーヒーと随筆』『コーヒーと短編』、短編小説集『たとえ、ずっと、平行だとしても』がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆう
8
アアルトコーヒー店主のエッセイ。自分の信じたことをコツコツと続ける。これほど大事なことはないなぁと改めて感じさせてくれる。コーヒー片手に静かな空間で味わうには最適な本。2023/02/05
qoop
7
昨今のコーヒー流行りと距離を置きつつ斯界で存在感を示す著者が、コーヒーを商って今を生きるという事について語ったエッセイ集。地に足を付けた暮らしを心がける姿勢は、まさしく知足を地で行くといった趣き。かといって堅すぎず、程の良さを感じる一冊。これを味に例えるのは野暮だけれど、浅煎り過ぎず深煎り過ぎず、偏りのない、しかし豆の味が判別できるような…… ああそうか、だからこのタイトルなんだな。迂闊だった。2022/10/21
Koji Harasawa
6
溶け合わずともそれぞれがしっかり存在し合うのが良い。個の存在がしっかりあり続けるのが良い。そう思わせてくれる随筆だった。一緒に向田邦子の小説とコーヒー豆も届いた。本と一緒に、何かを売るのもとても面白い。融合しないが、共にある。それが良い。2023/01/19
レヴ
2
こんな方がいるのかと驚いた。 自分の飛び込もうとしている世界のおもしろさと怖さを垣間見た気がした。 いつか会える日まで、目の前の日々を繰り返す。 繰り返すことを、繰り返す。2023/01/29
natsumi
2
日々向き合う焙煎。前の職場のとき、アアルトコーヒーの豆を使っているお店によく行っていた日々を思い出す。一番の近道は、繰り返しを繰り返すこと。ずっと続けてきて感じたことが真理だからという言葉に、それでいいんだと思えた。2022/12/29