内容説明
大海原で知を詠い、人を詠う。
目次
1部 風が吹いてくる 散らばれ(序詩;秋の光 ほか)
2部 すべての宇宙がわたしの背後だ(哀しい者たちはいつも星を眺めて;あなたが山にのぼる始発の汽車に乗るなら ほか)
3部 おいしいひとになります(順天の母の里4;戦後の澱みからわたしも芽生えた ほか)
4部 つぶれて踏みにじられた血の跡(敗北した詩人に;鶴に ほか)
5部 波はおのれの道をゆくもの(ハマナスとイルカ;夏がくる ほか)
著者等紹介
チャンソク[チャンソク]
1957年釜山生まれ。ソウル大学国語国文学科に在学中の1980年、朝鮮日報新春文芸の詩部門に「風景の夢」が選ばれ詩人としてデビュー。その後40年間、詩を発表することはなかったが、2020年に第一詩集『愛はようやくいま生まれたばかり』と第二詩集『この星の春』を刊行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mirun
1
60歳を越えた詩人初の詩集の邦訳集。巻末の解説を読んで腑に落ちた気持ちだが、自然詩でありながら人生の哲学のようなものが見え隠れする。社会や自然一般に目を向け、豊かな自然を感じさせる詩へと昇華させ、人の営みを感じさせる詩を詠む地に足のついた作風を感じる。紅梅と銀河や、海と星空のコントラストが目に浮かぶようで、遠い彼方から光を投げ掛ける宇宙への共鳴が印象的なテーマでもあった。個人的にはキバノロの歌が好き。良い芽にならなさそうだから詩作の芽を食べていってしまうキバノロはなんと言うか…可愛い。2024/11/12